将来債権もファクタリングの対象?利用におけるメリットと注意点を解説

将来債権は、基本的にファクタリングで利用できません。

ファクタリング会社によって、将来債権を扱うケースも見られますが、入金日や入金額が確定しており確定債権とは大きく異なる債権です。

そこで、将来債権とファクタリングについて、利用におけるメリットと注意点を解説します。

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将来債権とは

「将来債権」とは、事業や取引が継続・反復的に行われることにより、将来発生する予定の債権です。

商品納入やサービス提供は行っていないものの、その予定がある場合に発生する債権であり、取引契約の成立時点で発生します。

本当に債権が発生するか、保証されるわけではないものの、売掛先との間で契約時に明確なルールを決めておけば有効性に問題はないともされています。

法律では将来債権の譲渡も認められており、違法ではありません。

ただし主に担保目的で使われることが多く、ほとんどのファクタリング会社で扱いはないといえます。

将来債権の使い道

将来債権を第三者に譲渡することは可能です。

その際、将来債権譲渡契約を結びます。

将来債権譲渡契約とは、債権を譲渡する譲渡人が、将来有する予定のある債権を、譲渡される譲受人へと譲り渡す契約です。

また、将来債権は主に担保として利用されることが多く、この際には将来債権譲渡担保契約を締結します。

将来債権譲渡担保契約とは、債権者が債務者に対し保有する債権を被担保債権として、第三債務者に対し将来有する予定の将来債権を一括で担保にとる契約です。

将来債権が譲渡できる理由

2017年に民法が改正されたことにより、今後発生する予定のある債権については、譲渡することが認められるようになりました。

ただし、将来債権譲渡における対抗要件に関して、理解をしておきましょう。

対抗要件とは、すでに効力が発生している事実や法律関係を、第三者に主張するための条件です。

将来債権譲渡の対抗要件は、すでに発生している債権を譲渡するときと同じであり、次の2つです。

  • 売掛先に対する通知
  • 売掛先から承諾を得る

売掛先に対する通知や承諾を得ることが難しい場合は、債権譲渡登記を行うことでも対抗要件を満たすことができます。

将来債権を使ったファクタリングとは

将来債権を使ったファクタリングが可能な場合、次のような流れで資金を調達します。

  1. 保有する300万円の売掛債権を2社間ファクタリングで現金化
  2. 100万円のみファクタリング会社に売却
  3. 残り200万円は将来発生が予定される将来債権から売る

1か月後・2か月後・3か月後にそれぞれ100万円ずつ分割して支払うことになるため、キャッシュフローを負担することができるとも考えられます。

一時的には手元の資金が潤うこととなり、資金繰りも改善するでしょう。

しかし数か月先の将来債権まで先に受け取るため、取引量のほとんどを占める売掛先の将来債権を現金化すれば、ファクタリングをやめたとき入金ゼロの月を発生させます。

将来債権の現金化から抜け出せず、売買手数料分、入金予定金額を減少させ続けることになるでしょう。

通常のファクタリングでも、長期による利用は資金繰りを悪化させるリスクが高く、計画を立てた上での利用することが望ましいといえます。

将来債権をファクタリングに利用する場合、長期利用による資金繰り悪化は避けられないため、慎重な判断が求められます。

将来債権をファクタリングで利用するメリット

本来、ファクタリングで利用できるは、入金日や入金額が確定している確定債権のみです。

今後は、将来債権も扱う業者が増えるとも考えられます。

将来債権のファクタリング利用には、次の2つのメリットがあります。

  1. まとまった資金を調達できる
  2. 資金繰りの改善が見込める

それぞれ説明します。

①まとまった資金を調達できる

通常のファクタリングの場合、翌月に売掛金の入金期日を迎える売掛債権を現金化に用います。

債権の状況によって、希望額に満たないというケースも少なくありません。

しかし将来債権を使えば、まだ発生していない債権も対象となるため、まとまった資金を調達しやすくなります。

②資金繰りの改善が見込める

通常のファクタリングの場合、1度限りの買取では入金が得られず、翌月もまたファクタリングを利用することになる場合もあります。

しかし将来債権を使えば、発生予定の数か月分の債権を現金化できるため、支払と入金のサイクルを改善させることが期待できます。

事業の拡大や設備投資などにも使えるため、効率的に資金繰りを行えるでしょう。

将来債権をファクタリングで利用するデメリット

将来債権をファクタリングで利用することができるようになれば、様々なメリットを得ることができますが、次の3つのデメリットも留意しておく必要があります。

  1. 売買手数料が割高
  2. 審査が厳しい
  3. 取り扱い業者が少ない

それぞれ説明していきます。

①売買手数料が割高

将来債権とはまだ確定していない債権のため、ファクタリング会社にとってはリスクの高い買い取りとなります。

万一債権が発生しなかったときや未回収リスクなどを考慮した上で、売買手数料が設定されると考えれば、一般的なファクタリングよりも割高な費用を支払うことになるでしょう。

②審査が厳しい

将来発生する予定とはいえ、確定していない債権の買い取りにおいては、十分な審査を行うことが必要です。

そのため難易度は高くなり、売掛先だけでなく利用者の信用力も一般的なファクタリングより重視されやすくなります。

③取り扱い業者が少ない

将来債権を取り扱うファクタリング会社は多いとはいえず、将来債権を現金化したくてもできない状況です。

ただ、将来債権を現金化することは、利用者にとってもリスクが高い取引となります。

将来的に入金手段を失う危険性を考慮した上で、慎重に利用するべきといえます。

ファクタリングにおける将来債権需要拡大の可能性

ファクタリングは、お金が必要なときすぐに調達できる方法として市場拡大してきました。

ただ、翌月にはキャッシュフローがピンチに陥るケースもあるため、長期利用には向いていません。

将来債権を使ったファクタリングは、まだ確定していない債権まで対象となるため、長期利用の前倒しとも考えられます。

利用者が支払う売買手数料の負担が重くなることや、先々の資金繰り悪化が避けられないことを考慮すれば、仮に将来債権を扱うファクタリングが増えても活用は検討したほうがよいといえます。

まとめ

ファクタリングで利用できるのは支払期日や金額が確定した確定債権のみで、基本的には将来債権は利用できません。

将来債権の買い取りを可能とするファクタリング会社もありますが、その場合、売買手数料が割高になることは十分留意しておきましょう。

また、まだ発生していない債権を前倒しで受け取ることになるため、ファクタリング利用をやめれば入金がない、または少ない月が数か月に渡り続きます。

その間、資金繰りを改善させることができればよいものの、割高で設定された売買手数料で売掛金も目減りします。

以上により、将来債権を使ったファクタリングは、慎重に利用を検討することが求められます。

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