ファクタリングと手形割引の違いは?それぞれの活用メリットを徹底解説

ファクタリングと手形割引はどちらも売掛債権を流動化し期日よりも早く現金化できる資金調達手段です。

ファクタリングでは売掛債権を、手形割引では受取手形を現金化することが大きな違いです。

その他に利用方法や仕組みに違いがあります。

ファクタリングと手形割引の違いをはじめ、それぞれを資金調達に活用するメリット・デメリットについて徹底解説していきます。

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ファクタリングと手形割引の違い

 

 

ファクタリングと手形割引で現金化するのはどちらも売掛債権ですが、主に次の8つの違いがあります。

  1. 売掛債権の種類
  2. 貸金業法の適用範囲
  3. 償還請求権の有無
  4. かかる費用
  5. 審査で重視されるポイント
  6. 現金化までのスピード
  7. 取引先に知られるか否か
  8. 決算書への影響

それぞれの違いを説明します。

売掛債権の種類

ファクタリングは原則、売掛金が対象であるのに対し、手形割引は受取手形が対象です。

そのため、ファクタリングの方が手形割引よりも、現金化できる範囲が圧倒的に広いといえます。

また、売掛金は企業間取引で代金を将来支払う約束といえますが、期限内に支払うことが制度的に保証されているわけではありません。

これに対し受取手形は制度として保証されていることも違いです。

手形が不渡りになれば、銀行取引も停止され、存続が危ぶまれる制裁を受けることになります。

売掛金よりも、約束手形の方が支払いに関する意識が高くなりやすいといえるでしょう。

貸金業法の適用範囲

貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者や、貸金業者からの借入について定めている法律です。

ファクタリングは貸金業ではないため、貸金業法は適用されません。

手形割引は、貸金業の扱うサービスのため、貸金業法が適用されます。

様々な法律の規制により、利用者保護の法整備が確立されています。

そのため法律の規制のないファクタリングの場合、相手が悪質業者ではないか、利用者自身で判断しなければなりません。

償還請求権の有無

償還請求権とは、売掛債権が回収できなくなったとき、利用者へ支払いを請求できる権利です。

ファクタリングは、償還請求権のあるリコース契約と、付されないノンリコース契約があります。

償還請求権なしのノンリコース契約なら、譲渡した売掛金が回収不能になっても、ファクタリング会社に支払う義務は負いません。

対する償還請求権ありのリコース契約の場合、未回収リスクは利用者が負います。

仮に売掛金が回収できなくなった場合は、ファクタリング会社から譲渡した売掛金を買い戻すことが必要です。

手形割引は元々償還請求権付きの契約であるため、振出人が決済日に不渡りを発生させれば、手形の買戻請求を受けます。

かかる費用

ファクタリングはかかる費用は売買手数料です。

3社間ファクタリングでは債権額面の1%から9%(支払期間1か月の年率換算で年利12%~108%)程度となります。

2社間ファクタリングの場合は10%から20%程度(支払期間1か月の年率換算で年利120%から240%)が相場です。

手形割引では、費用として割引料が発生します。

銀行での手形割引の利用は年率1.5~5.5%、賃金業者で年率5%から15%程度です。

審査で重視されるポイント

ファクタリングの審査では、売掛先の信用力が重視されます。

そのため利用者が赤字決算や債務超過でも、申し込みは可能であり、信用力の高い売掛先の債権なら利用できる可能性は十分にあります。

手形割引は、受取手形の売却ではあるものの、実態は融資と見なされます。

そのため手形割引の審査では、振出人だけでなく利用者の信用力も重視されてしまいます。

特に銀行では利用者、手形割引業者なら振出人の信頼性が重視されると考えられます。

現金化までのスピード

ファクタリングは、2社間ファクタリングなら最短即日、3社間ファクタリングでも最短2日程度で売掛金を現金化できます。

手形割引の場合、銀行に依頼すれば1週間程度、貸金業者で最短即日とされています。

取引先に知られるか否か

3社間ファクタリングでは利用者と売掛先とファクタリング会社の3社間で取引を行うため、売掛先に承諾を得ることが必要です。

そのため3社間ファクタリングの利用においては、売掛先に債権譲渡の事実を隠すことはできません。

2社間ファクタリングであれば、利用者とファクタリング会社のみで取引が完結するため、売掛先に知られることはないといえます。

手形割引においても、利用者と銀行または手形割引業者間で手続が完了するため、その他誰にも知られる恐れはありません。

決算書への影響

ファクタリングは、売掛金を現金に換える方法です。

手形割引も、受取手形を現金化します。

どちらも資産である売掛債権を現金に換える方法であるため、決算書への悪影響はないといえます。

ただし手形割引は融資と見なされます。

ファクタリングの場合、利用により調達したお金を借入金返済に充てれば、オフバランス化も可能となるなど、むしろ決算書の見た目を改善させることができます。

ファクタリングと手形割引に共通するメリット

 

ファクタリングと手形割引は、それぞれ売掛債権を現金化する方法ではあるものの、契約形態そのものに違いがあります。

ただ、共通するメリットとして、以下3点が挙げられます。

メリット

  1. 売掛債権を流動化できる
  2. 資金不足を回避できる
  3. 一般的な融資より早く資金調達できる

    それぞれ説明していきます。

    売掛債権を流動化できる

    ファクタリングと手形割引は、どちらも自社の「売掛債権」を流動化し、資金を調達できる方法です。

    経済産業省中小企業庁も、中小企業が銀行融資などに依存することなく、売掛債権流動化など資金調達方法を多様化することをを推奨しています。

    また、売掛債権を流動化することについて、売掛先から資金繰りが厳しいのかといった懸念を抱かれるなど、利用による風評被害を発生させないように協力も要請されています。

    従来までは、売掛債権の譲渡を禁止する「債権譲渡禁止特約」が付された契約の債権は譲渡できませんでしたが、民法の改正により活用できるようになりました。

    国が債権流動化に積極的な姿勢を見せているあらわれとも考えられます。

    資金不足を回避できる

    ファクタリングと手形割引は、どちらも新たに不動産担保融資などを利用しなくても、保有する売掛債権を使って資金を調達できます。

    そのため手元の資金が不足しているときでも、売掛債権を現金化し、資金不足解消につなげることが可能です。

    一般的な融資より早く資金調達できる

    ファクタリングと手形割引は、一般的な銀行融資などと比べれば、どちらも資金調達までのスピードがはやいといえます。

    特にファクタリングは、最短で即日対応してもらえるなど、素早い資金調達が可能な方法です。

    ファクタリングと手形割引に共通するデメリット

    ファクタリングと手形割引は、利用する際に所定の費用がかかります。

    利用しない場合売掛債権の支払期日まで待てば満額入金されますが、利用した場合には業者に費用を支払う分手元に残る現金は少なくなります。

    まとめ

    ファクタリングと手形割引は、どちらも売掛債権を流動化し、現金に換えることができる資金調達の方法です。

    将来受け取る予定の売掛債権を使うことができるため、新たに銀行などに不動産を担保とした融資を申し込む必要などはないことが特徴です。

    ただしファクタリングは売掛債権の売買による資金調達の方法であるのに対し、手形割引は売掛債権を使った融資を受ける方法となります。

    万一期日に決済されなかったとき、ファクタリングでは利用者が弁済義務を負うことは ないのに対し、手形割引では弁済義務を負います。

    リスクも踏まえた上で、どちらの方法で資金調達したほうがよいか検討しましょう。

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