軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリット・デメリットを解説

軽貨物運送事業の資金調達で、ビジネスローンを検討することもあるでしょう。

特に運送関連の業種は資金繰りが悪化しやすいため、手元の資金不足でビジネスチャンスを逃すことは避けなければなりません。

しかし多忙な軽貨物運送事業者は、できるだけスピーディな資金調達や書類準備が簡単な方法を選びたいと考えるものですが、この場合でもビジネスローンは活用しやすいといえるでしょう。

そこで、軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリット・デメリットについて解説していきます。

ビジネスローンとは

「ビジネスローン」とは銀行や貸金業者などが提供する事業者向けのローンサービスで、資金使途を「事業資金」に特化していることが特徴です。

借入れた資金は事業用の使途でのみ使うことが可能であるビジネスローンでは、以下の目的で融資を受けることができます。

  • 設備投資
  • 運転資金
  • 買掛債務支払い
  • 給与支払い
  • その他事業に関連する支払い

一括で資金を借入れて毎月返済し完済を目指す証書貸付によるビジネスローンと、限度額の範囲内であれば繰り返し利用できる当座貸越タイプ(カードローンタイプ)のビジネスローンがありますが、どちらの場合でも提出書類が簡素化されており資金調達まで時間がかかりません。

ビジネスローンとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

軽貨物運送事業者がビジネスローンを利用する場合、次の5つを確認しておきましょう。

  1. 借入金額
  2. 金利
  3. 借入期間
  4. 融資までの時間
  5. 申込条件

それぞれ説明していきます。

借入金額

ビジネスローンで借入れできる金額は、数十万円から数百万円程度です。

たとえば政府系金融機関である日本政策金融公庫の一般貸付で借りた場合、融資限度額は4,800万円や7,200万円となっています。

民間銀行のプロパー融資なら、銀行独自の責任での貸し付けとなるため、特に限度額は設けられていません。

そのためビジネスローンは、一般の銀行融資と比較すると少額になるため、一時的な資金調達目的の借入れに向いているといえます。

金利

ビジネスローンの金利は、10%から18%など比較的高めです。

日本政策金融公庫は0.3~2%程度、銀行も2%前後であることが多いのに対し、ビジネスローンでお金を借りると高い金利が設定されます。

借入期間

ビジネスローンの借入期間は、5年(60か月)から10年(120か月)で設定することになるため、短期利用での資金調達においては繰り上げ返済を活用することになります。

融資までの時間

ビジネスローンは最短即日で借入れが可能となっており、遅くても1週間程度あれば資金調達が可能です。

日本政策金融公庫や民間銀行から融資を受ける場合には、審査に時間がかかるため数週間や月単位待たなければ融資実行されません。

しかしビジネスローンでは、審査項目を点数化しコンピューターで結果を出すスコアリング方式を採用していることが多いため、スピーディな審査と貸付が可能となっています。

申込条件

ビジネスローンは、事業者向けの金融商品であるため、個人事業者や法人経営者なら申し込みが可能です。

事業を営んでいない個人は対象とではなく、資金使途も事業を目的とした使い道であることが必要ですが、基本的に担保や保証なしで申し込みできます。

軽貨物運送事業のローンの使い道

軽貨物運送事業者に限らず、ビジネスローンで借りた資金は、事業用のお金として使うことが必要です。

たとえば生活資金などに充てることはできないローン商品ですが、軽貨物運送事業者のビジネスローンの使い道として次の4つが挙げられます。

  1. 開業・運転資金
  2. つなぎ資金
  3. 買掛債務の支払い
  4. 納税資金

それぞれどのような使い道か説明します。

開業・運転資金

軽貨物運送事業のビジネスローンの使い道として考えられるのは、開業・運転資金です。

たとえば新たな事業スタートに向けて、助成金や補助金を申請している場合でも、実際にかかった経費が後払いされる形で支給されるまですぐに資金を調達できません。

営業活動に必要な資金を立て替えることが必要ですが、ビジネスローンであれば運転資金として使うことができます。

つなぎ資金

軽貨物運送事業のビジネスローンの使い道として考えられるのは、つなぎ資金です。

売掛先からの入金が遅れているときなどに営業活動を停止させないため、手元の資金が足らなくなったときの穴埋めとしてビジネスローンで調達した資金を使うことができます。

燃料費やドライバーの賃金、保険料などの運営で発生する支払いに充てるお金がない場合や、受注量増加に伴う倉庫増設・改修の緊急の車両修理など、予期せぬ出費にも充てることができると考えられます。

買掛債務の支払い

軽貨物運送事業のビジネスローンの使い道として考えられるのは、買掛債務の支払いです。

商品やサービスを購入したときの後払い代金である買掛債務は負債の1つですが、たとえば車両の燃料費など、月単位でまとめて支払う契約になっている場合などが該当します。

納税資金

軽貨物運送事業のビジネスローンの使い道として考えられるのは、納税資金です。

国に治める国税と地方自治体に納める都道府県税・市町村税があり、事業で黒字が出れば法人税や事業税などの支払いを工面する必要があります。

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軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリット

 

軽貨物運送事業者が資金調達するときには、ビジネスローン以外にも一般的な銀行融資なども検討できます。

しかし遭えてビジネスローンを活用することには、次の6つのメリットがあるからといえるでしょう。

  1. 審査の難易度が低い
  2. 担保や保証人が不要
  3. 手続が簡単
  4. 最短即日借入れできる
  5. 繰り返し借入れできる
  6. 総量規制の対象外

それぞれどのようなメリットか説明します。

審査の難易度が低い

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、審査の難易度が低いことが挙げられます。

銀行融資などの場合、審査が厳しくお金を借りることができない場合でも、ビジネスローンなら担保も保証人も不要で利用可能となる場合があります。

ただ、金利を高く設定し小口融資をメインとしているため、審査を緩くできていることは理解しておく必要があるでしょう。

担保や保証人が不要

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、担保や保証人が不要であることが挙げられます。

中小企業が銀行融資で資金調達する場合、不動産などを担保として差し入れることや、経営者の人的保証などを求められることが一般的です。

ビジネスローンでは担保や保証人は不要としていることが多いというメリットはありますが、代わりに金利を高めに設定して貸し倒れのリスクを防いでいることは理解しておきましょう。

手続が簡単

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、手続が簡単であることが挙げられます。

銀行融資では担当者と面談し、多岐に渡る書類準備など必要となるのに対し、ビジネスローンでは対面の面談がなくネットや郵送で完結するなど手続が簡便化されています。

最短即日借入れできる

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、最短即日借入れできることが挙げられます。

先にも述べたとおり、ビジネスローンの審査ではスコアリングシステムが採用されているため、スムーズな審査が可能であり急ぎの際には利用しやすいといえます。

繰り返し借入れできる

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、繰り返し借入れできることが挙げられます。

ビジネスローンには借入れ回数に制限がなく、限度額の範囲なら何度でも利用できるため、必要なタイミングで借入れることも余裕ができたときに繰り上げ返済することもできます。

総量規制の対象外

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のメリットとして、総量規制の対象外であることが挙げられます。

個人向けの貸金業では、年収の3分の1を超えた借入れはできない総量規制がルールとして設定されています。

しかしビジネスローンは総量規制の対象ではないため、年収の3分の1を超えた額を借りることができます。

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のデメリット

資金調達にビジネスローンを活用するメリットはいろいろありますが、軽貨物運送事業者では次の4つのデメリットは留意しておきましょう。

  1. 金利が高い
  2. 借入限度額が低め
  3. 資金繰りが悪化する
  4. 銀行融資に影響する

それぞれのデメリットについて説明します。

金利が高い

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のデメリットとして、金利が高いことが挙げられます。

ビジネスローンは審査の難易度が低く、最短即日融資が可能であり、担保や保証人が不要という利用しやすさがあります。

しかしこれらのリスクを補うため、金融会社では10%前後から18%の金利設定で貸し付けを行っています。

借入限度額が低め

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のデメリットとして、借入限度額が低めであることが挙げられます。

ビジネスローンは主に少額の取引となるため、一般の銀行融資よりも限度額は低めであり、数十万円から数百万円までの利用となります。

資金繰りが悪化する

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のデメリットとして、資金繰りが悪化することが挙げられます。

先にも述べた通り、金利が高めに設定されるため、長期や繰り返しの利用で利子負担が重くなります。

返済が長引かないように一時的な利用に留め、返済総額が膨らまないように繰り上げ返済を活用することも必要です。

銀行融資に影響する

軽貨物運送事業のビジネスローン活用のデメリットとして、銀行融資に影響することが挙げられます。

ビジネスローンで借入れたときには、決算書にその情報が残るため、銀行融資で決算書提出を求められたときに知られてしまいます。

ビジネスローンの利用履歴を残したままでは資金繰りが苦しいと判断されがちであるため、銀行融資の審査に通りにくくなるでしょう。

まとめ

ビジネスローンは一般的な銀行融資なよりも審査も柔軟で手続も簡便化されているため、最短即日で資金調達できることがメリットです。

多忙で銀行融資の審査にも通りにくい軽貨物運送事業者でも、担保の差し入れや保証人の準備などに悩まされることなく、スピーディに資金調達する方法として活用できます。

確かに本当に資金繰りに困っているのなら、メリットばかりにとらわれることなく、デメリットも理解した上で検討が必要です。

たとえば即日資金調達したいのなら、審査も柔軟で借金も増やさないファクタリングなども活用できます。

何のために資金を調達するのか、目的や必要な金額に応じてどの方法がよいかしっかり見極め選ぶようにしましょう。