これから始める事業について具体的な内容や行動を示す計画を事業計画といいますが、頭の中に描くだけでなく、書面として残す必要性があります。
アイデアをビジネスに移し実行するために必要であり、明確に整理された内容を他社に示す性格も持つのが事業計画書の特徴です。
そこで、事業計画書の必要性や作成において押さえておきたいポイントについてご説明します。
目次
事業計画書とは?
事業計画書を作成するタイミングとして、たとえば銀行から融資を受けるときが挙げられます。
銀行に対し、何のために資金を必要としており調達した資金をどのように事業で使うのか、それにより見込める収益などを示すために作成します。
金融機関に対し作成するケース以外にも、社内外に向けて作ることもあり、いずれにしても計画を立てただけで実行に移さなければ意味がありません。
作成する目的に応じ、適切な内容を盛り込んでいきましょう。
事業計画書に記載する内容
事業計画書には、主に次のような内容を記載していくことになります。
- 創業者の経歴・経営理念・事業目的・方針など
- 事業の概要(提供する商品やサービス・事業のターゲット・経営戦略・市場の現状など)
- 事業を展開させていく方法(商品が売れる根拠や優位性・成功への道筋)
- 収支予測(財務面の見通し)
- リスクと対策(想定されるリスクや問題点・解決に向けた対策や方法)
事業計画と経営計画の必要性の違い
会社経営では様々な計画が必要となりますが、事業計画と経営計画はどのような違いがあるのでしょう。
経営計画とは、会社の現在の姿と本来あるべき姿が合致するように、数値や目標を示すためのものであり、会社の理想像とも言い換えることができます。
3~5年の中期における経営計画を作成することが多く、数年後に会社はどのような価値を提供できているか明確化していきます。
そして事業計画は事業のプランなので、会社あるべき姿を実現させる具体的な行動計画を意味します。
損益計算書や借入金の返済など、資金計画も含まれるため、金融機関や投資家に向けて作成することが多いといえます。
事業計画を作成する必要性
事業計画を作成する必要性はなぜ高いかというと、
- 事業運営における行動を明確にするため
- 他者に計画を理解してもらい支援を得るため
- 運営開始後の問題点分析と軌道修正
という3つが挙げられます。
事業運営における行動を明確にするため
事業計画は、
- どのような事業をしたいか
- どの方向を目指すのか
- 予算はどのくらいか
- 見込める売上や利益
などを予想していきます。
これらのイメージを書面に記すことで、頭の中で考えた内容を可視化さえ、課題や強みを明確にしやすくなるでしょう。
その上で、解決しなければならない問題は何か洗い出し、優先順位をつけ対策を立てることができます。
また、自社の強みを理解することにもつながるため、意思決定を素早く行い経営戦略を効果的に実行できるようになるといえます。
他者に計画を理解してもらい支援を得るため
資金繰りのとき、銀行からの融資や投資家から出資してもらうことを検討するのなら、これからはじめる事業が成功することを伝えなければなりません。
銀行も投資家も、将来性が見込めない会社に資金を支援することはないため、事業の実現性や将来性を評価してもらえる事業計画書を作成することが重要です。
事業計画書により会社が掲げる目標やビジョンを明確化させえれば、何をいつまでに実行し、それによりどのような効果があるのか伝えやすくなります。
運営開始後の問題点分析と軌道修正
どれほど念入りに事業計画を立てたとしても、実際に稼働し始めたときにすべてがうまくいくとは限りません。
もしトラブルや想定外のことが起きたときには、その問題を客観的に分析・修正できる対策も事前に立てておくことが必要です。
そして当初立てた事業計画の不備を見直すためにも、書面として事業計画書を作成しておくことが必要になります。
特にこれから始めて取り組む事業などの場合、事業計画書がなければ行き当たりばったりで事業を進めていくこととなり、今進んでいる方向性が正しいか判断できなくなってしまいます。
事業計画書は成功までの道筋を示すものといえるため、必ず作成しておくことが必要です。
まとめ
これから始める事業ときも、既存の事業を見直すときのも、具体的な事業の内容や行動を示す事業計画書を作成しておきましょう。
頭の中で思い描いたアイデアをビジネスとして実行するために必要なものであり、金融機関などから資金を調達するときにも求められる書類です。
事業を開始することや続けることで、それがどのように成功につながっていくのか道筋を示すことができれば、金融機関の担当者も納得し融資を実行してくれることでしょう。
事業計画書の必要性や作成で必要なポイントをしっかりと押さえておき、社内での事業の見直しや分析にも活用していくためにも作成しておきましょう。