事業を営んでいれば、即日お金が必要になったため、資金調達しなければならない場面に遭遇することはめずらしくありません。
即日資金が必要というタイミングで、調達せずに手元のお金だけで賄うことができればよいですが、足らない状態であることもめずらしくないはずです。
銀行からの借入れなど低金利の融資を受けることができるならそれでもよいでしょうが、即日融資を受けることはまず難しいため資金調達方法として期待できません。
そこで、即日で資金調達するには?おすすめの方法や各メリット・デメリットを紹介していきます。
目次
即日に資金調達することは可能
即日資金が必要という場合でも、適切な方法を選べば調達することは可能です。
多くの中小企業経営者は、資金繰りや資金調達に関する悩みを抱えています。
すぐにお金を準備し、支払いできなければ倒産してしまうという窮地に立たされることもめずらしくないため、常に資金繰りについては念頭に置いておくことが必要です。
資金繰り表など作成し、資金ショートしないように注意していても、思いもよらぬビジネスチャンスで大型案件が舞い込み、急にまとまった資金が必要になることもあるでしょう。
そのような場合、余裕資金がなければお金を準備できず、せっかくのチャンスを棒に振ってしまう可能性さえあります。
しかし即日で資金を調達することは可能であるため、どのような手段があるか事前に確認しておき、調達方法を多様化しておくことが必要です。
即日資金調達する方法①ビジネスローン
「ビジネスローン」とは、事業を目的とした使途で使える金融商品です。
通常のカードローンの場合には使途が限定され、事業用として使うことはできません。
しかしビジネスローンなら、無担保・無保証で利用でき、ATMなどを利用していつでも必要な金額を引き出すことができます。
ただし金利は一般的な銀行融資よりも高めに設定されるため、一時的なつなぎ資金などの利用にとどめておいたほうがよい方法ともいえるでしょう。
ビジネスローンとは?銀行融資との違いやメリット・デメリット等について解説
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンのメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 審査がスピーディ
- 無担保・無保証
- 信頼性が高い(銀行系)
- 個人事業主でも利用可能
それぞれ説明していきます。
①審査がスピーディ
銀行から一般的な融資を受けることが難しい中小企業向けの金融商品として始まったのがビジネスローンです。
そのため一般的な銀行融資よりも審査が早く、通過しやすいことがメリットといえます。
特にノンバンク系のビジネスローンであれば比較的柔軟な審査が実施されるため、審査結果が出るスピードも早く、最短で即日融資が可能です。
②無担保・無保証
ビジネスローンの契約・利用においては、多くの場合、担保の差し入れや保証をつけることは求められません。
無担保・無保証で利用できるため、創業したばかりで不動産など所有していない事業者や、保証人がいない場合でも利用しやすいことがメリットです。
③信頼性が高い(銀行系)
銀行系のビジネスローンであれば金利もノンバンク系より低く、融資額が高くなればなるほど適用される金利は下がり、銀行から融資を受けているという安心感も得られることになります。
④個人事業主でも利用可能
ビジネスローンとは事業を目的とする用途のための資金を貸し付ける融資であり、担保や保証人を付けなくても借り入れが可能です。
一部の金融業者からは、事業費と生計費のどちらでも使うことができるローンなどを取り扱っていることがあるので、個人事業主ならそのようなタイプのローンを利用すると便利でしょう。
ビジネスローンのデメリット
ビジネスローンのデメリットとして挙げられるのは、次の4つです。
- 金利が高い
- 借入限度額が低い
- 即日融資は難しい(銀行系)
- 信用力が低下する
それぞれ説明していきます。
①金利が高い
ノンバンク系のビジネスローンは特に注意しておきたいことですが、ビジネスローンは一般的な銀行融資よりもかなり金利が高めに設定されます。
そのため繰り返し利用すると返済しても元金が減らず、延々と利息ばかり支払い続けることになるため注意してください。
一時的なつなぎ資金としてビジネスローンを利用し、短期間で返済を済ませるのならよいでしょう。
しかし、長期利用すると金利負担が大きくなってしまうため、資金繰りが悪化しやすくなります。
②借入限度額が低い
ビジネスローンは借入限度額が低めであることがデメリットです。
300万円から1千万円程度の資金調達を希望する場合にはよいですが、多額の資金調達にはむきません。
③即日融資は難しい(銀行系)
銀行系のビジネスローンは審査に時間がかかるため、本日中に資金が必要という場合には対応できません。
そもそも審査基準がノンバンク系より高めであり、事業が安定した経営を行っているか、経営の見通しが立っている場合でなければ利用できない可能性があります。
④信用力が低下する
ビジネスローンを利用すると、どこから借りたのか決算書に記載されます。
そのためビジネスローンの利用を銀行など金融機関に知られることになり、
「資金繰りが苦しい状態なのではないか」
と金融機関に勘繰られてしまうと、融資審査で不利になる可能性があります。
即日資金調達する方法②カードローン
個人のカードローンとクレジットカードのキャッシングは混同されがちな金融商品ですが、カードローンは借入れに特化したキャッシング専用の金融サービスです。
ビジネスローンは事業者向けのローンであるのに対し、カードローンは個人向けであるという違いがあります。
カードローンのメリット
カードローンのメリットとして挙げられるのは、次の2つです。
- 審査がスピーディ
- 無担保・無保証
- 繰り返し利用可能
それぞれ説明します。
①審査がスピーディ
カードローンは審査に時間がかからないことがメリットです。
多くがコンピュータを利用したスコアリングによる自動審査となるため、即日融資も可能となりやすいことがメリットといえます。
特に銀行系カードローンより消費者金融系カードローンはスピーディな資金調達が可能となります。
②無担保・無保証
カードローンの契約・利用においては、多くの場合、担保を差し入れることや保証人をつけることを求められることはありません。
不動産など担保に差し入れることのできる資産を所有していない事業者や、保証人がいない場合でも借入れ可能となることがメリットです。
③繰り返し利用可能
カードローンは融資限度枠の範囲内であれば、借入れと返済を繰り返し利用できます。
コンビニATM・インターネットなどを使ってお金を借りることができるため、急にお金が必要になったときにも対応できることがメリットです。
カードローンのデメリット
カードローンのデメリットとして挙げられるのは、次の3つです。
- 金利が高い
- 資金使途が限られる
- 審査に通ると限らない
それぞれ説明します。
①金利が高い
カードローンは審査も早くスムーズな資金調達が可能であるなどメリットが大きい分、金利は高く設定されます。
借入れと返済を繰り返して利用することもできるものの、長期間利用し続けると利息の支払いに追われることになり、完済に至らず資金繰りは悪化してしまいます。
②資金使途が限られる
カードローンはあくまでも個人向けの金融商品のため、借りたお金は事業資金として使うことはできません。
そのためカードローンで調達したお金は直接事業用途に使うのではなく、たとえば事業が行き詰まっているときの生活費として使うようにしましょう。
③審査に通ると限らない
カードローンは個人が契約しているクレジットカードの利用料金を滞納していたり携帯電話料金を滞納していたりすると、信用情報に事故情報として記録されることになり審査に通らなくなります。
即日資金調達する方法③手形割引
「手形割引」とは、保有する手形を手形割引業者に売却し現金化する資金調達の方法です。
決済期日まで待つことなくお金を受け取ることができるため、長期化しやすい手形サイトの短縮化にも使えます。
なお、手形を銀行や手形割引業者に買い取ってもらうときには手数料がかかります。
手形割引のメリット
手形割引のメリットとして挙げられるのは次の2つです。
- 審査が柔軟
- 調達コストが安い
それぞれ説明していきます。
①審査が柔軟
手形割引は銀行融資と比べると、審査に通りやすいことがメリットです。
手形割引の審査では、手形を発行した振出人の信用力が重視されるため、自社の信用力はそれほど大きく審査に影響しません。
そのため信用力の高い振出人の手形であれば、比較的、資金調達に使いやすいといえるでしょう。
②調達コストが安い
手形割引では割引手数料が発生しますが、数%から15%程度と比較的低めに設定されるため、コストを抑えた資金調達が可能です。
手形割引のデメリット
手形割引のデメリットは次の2つです。
- 融資とみなされる
- 弁済責任を負う
それぞれ説明していきます。
①融資とみなされる
手形割引は、手形サイトが60日以上など長期に渡るときに利用されます。
ただし手形割引はあくまでも手形を担保とした融資という扱いであるため、貸借対照表上の負債を増やすこととなり、決算書の見栄えを悪くしてしまいます。
②弁済責任を負う
手形割引は裏書した上で手形割引業者に手形を引き渡すため、万一決済されず不渡りとなった場合、弁済責任を負うことになります。
これは、手形の裏書には連帯責任の効力があるからです。
振出人が支払いできず決済されなかった場合、裏書人は振出人に代わり支払うことが必要となります。
即日資金調達する方法④ファクタリング
「ファクタリング」とは、保有する期日到来前の売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化することで資金調達が可能となる方法です。
一般的な資金調達方法は、いずれも金融機関などから借りることがほとんどでした。
しかしファクタリングはお金を借りるのではなく、保有する資産を売ってお金に換える方法です。
企業間取引で発生した売掛金は、入金まで1~2か月後先になることが一般的といえます。
しかしファクタリングを利用すれば、期日まで待たずに即日現金に換えることが可能です。
ファクタリングとは?仕組み・手数料の目安や注意点について簡単に解説
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは主に次の5つです。
- 審査が柔軟
- 資金調達までスピーディ
- 弁済責任を負わない
- オフバランス化が可能
- 個人事業主でも利用可能
それぞれ説明していきます。
①審査が柔軟
ファクタリングは審査のハードルが低く、通りやすいことがメリットです。
銀行など金融機関から融資を受けて資金調達する場合、事業計画書など様々な書類の準備が必要となり、審査にも時間がかかります。
また、赤字決算や債務超過、代表者の信用情報が悪化しているときなどは審査に通りません。
しかしファクタリングは売掛先の信用力が審査で最も重視されるため、柔軟な対応で早ければ数時間程度で審査完了となります。
②資金調達までスピーディ
ファクタリングは資金調達までの時間がかからないことがメリットです。
銀行融資は審査に時間がかかるだけでなく、銀行内の決済で融資がおりるまでの時間も必要です。
融資が実行され入金されるまで、早くても1か月程度は掛かると考えられるでしょう。
しかしファクタリングなら、早ければ即日現金化が可能になるほどスピーディです。
③弁済責任を負わない
ファクタリングで売掛金をファクタリング会社に売却した場合、売掛先の倒産などによる未回収リスクもファクタリング会社に移転されます。
そのためファクタリング後に売掛先から売掛金が支払われず、債務不履行となっても利用者が弁済責任を負うことはありません。
④オフバランス化が可能
オフバランス化とは、貸借対照表から資産や負債を減らすことで、見た目をすっきりさせることができます。
一般的に、資産・負債が少ない状態で利益を上げることができていれば優良な経営とみなされるため、オフバランスを希望するときにはファクタリングを利用するとよいでしょう。
ファクタリングによるオフバランス化の要件やメリットについて解説
⑤個人事業主でも利用可能
ファクタリングは保有する売掛金を現金化する方法のため、法人だけでなく個人事業主も利用できます。
ただし個人事業主も受付可とするファクタリング会社は限られているため、少額債権の買い取りなど積極的に行っている業者を探すことが必要です。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングのデメリットは次の2つです。
- 調達コストが高め
- 悪徳業者に注意が必要
それぞれ説明していきます。
①調達コストが高め
ファクタリングはとても便利な資金調達の方法ですが、コストが高めであることがデメリットです。
利用者とファクタリング会社のみで契約する2社間ファクタリングの場合、一般的に10~20%が手数料相場ですが、たとえば1,000万円の売掛金を10%の手数料で売れば100万円コストが発生してしまいます。
融資年利に換算した場合、手数料5%でも年利60%、20%なら年利240%に相当します。
利用するのは1か月や2か月など売掛金が入金されるまでの間ですが、長期で継続して利用すると資金繰り悪化につながるリスクがあることは留意しておく必要があります。
②悪徳業者に注意が必要
ファクタリングはあくまでも売掛金の譲渡・売買による資金調達の方法であり、貸金業者のように貸金業法の縛りを受けません。
許認可なども不要であり、法的な規制などもないことから悪徳業者が横行しやすくなっています。
融資を受けようとするヤミ金業者などが、売掛金の買い取りとみせかけて金銭を貸し付けようとするケースも存在しており、注意が必要です。
そのためファクタリングを利用するときには、実績や運営歴がしっかりした信頼できるファクタリング会社を選ぶことが大切といえます。
即日資金調達に成功するポイント
どの資金調達の方法を選んでも即日調達できるわけではありません。
すぐにお金が必要というタイミングに即日資金を調達するためには、次の4つのポイントを押さえた業者選びが必要です。
- 柔軟対応可能な業者を選ぶ
- 信用情報に左右されない方法を選ぶ
- 調達額を少額に抑える
- 利用実績を積む
それぞれ説明していきます。
柔軟対応可能な業者を選ぶ
即日資金調達を成功させるためには、柔軟な対応が可能な資金調達先を選ぶことが必要です。
たとえばファクタリングで資金調達する場合、2社間ファクタリングであれば最短即日現金化が可能であるものの、業者によってそのスピードは異なります。
最短即日という業者もあれば、最短3営業日という場合もあるため、事前に柔軟な対応が可能か確認しておきましょう。
信用情報に左右されない方法を選ぶ
即日資金調達を成功させるためには、信用情報に左右されない方法を選ぶことが必要です。
たとえば借入れなどの延滞や滞納がある場合、信用情報に影響を及ぼします。
信用情報に事故情報などが記録されている場合、お金を借りて資金を調達する方法は使えなくなります。
なお、ファクタリングに関しては利用者の信用情報は審査にそれほど影響せず、売掛先の信用力が重視されるため、赤字決算や債務超過でも申し込みできます。
調達額を少額に抑える
即日資金調達を成功させるためには、調達額を少額に抑えることもポイントの1つです。
仮に数千万円や億単位などの多額の資金を調達したくても、即日準備してもらうことは難しいケースが多いといえます。
そのため調達希望額は少額のほうが即日資金調達しやすいといえるでしょう。
利用実績を積む
即日資金調達を成功させるためには、調達先との関係を良好に保ち、利用実績を積みましょう。
初めて契約する場合には、調達先も信用できる相手か判断しにくいものですが、過去に適切な利用実績があれば安心してもらえます。
審査もスピーディに進めることができるため、利用実績は高いほうが即日資金調達につながりやすくなるといえるでしょう。
まとめ
必要とする資金額や返済計画、いつまでにお金を準備しなければならないかによって、即日対応できる方法のうちどれを選ぶ変わってきます。
どの方法にもメリット・デメリットはありますが、いずれも即日資金調達しやすい方法であり、審査のハードルは低めであることは共通しています。
対応できる資金の調達方法はケースバイケースなので、急いでお金が必要なときには調達先の選択を間違わないようにすることをおススメします。