【2024年最新版】中小企業向け補助金一覧|各支援内容を解説

中小企業にとって補助金は、資金調達する上で頼りになる手段です。

しかし要件を満たさなければ申請してもお金を受け取ることはできません。

さらに中小企業向けの補助金は種類も多く、どの制度を利用すればわからないことも少なくないといえます。

目的に応じた制度を選ぶことが必要であるため、中小企業向けの補助金制度について、種類や支援内容を一覧で紹介します。

補助金とは

補助金

「補助金」も助成金と同じように、国の政策目標に沿って事業を運営する事業者に支給する返還不要のお金ですが、特にスモールビジネス事業の資金調達で活用しやすい制度といえます。

主に新規事業や起業促進、研究開発などの事業運営で必要な経費をサポートしてくれるため、個人事業主や中小企業の事業活性化を目的としています。

経済産業省や独立行政法人、中小企業庁などが管轄の制度が多いものの、他省庁や自治体、民間団体などが業界ごとで活用しやすい補助金制度を設けていることもあります。

国の補助金の場合、新規事業や研究開発などが目的の制度が多いため、支給金額も数百万円以上や数億円規模単位など多額であることが特徴です。

さらに対象となる諸経費の適用範囲も広いため、要件を満たす場合には申請しておきたい制度といえますが、助成金と異なり通年応募していません。

公募期間はほとんどが1週間から1か月など特定の期間のみに限定されているため、事前にいつから受付開始となるか確認しておき、書類作成など申請準備を進めておくことが必要です。

また、助成金は要件を満たせばほとんど支給対象となるのに対し、補助金は採択されなければ支給対象にはなりません。

さらに申請期限内であっても、予算を満たすと途中で受付が中止されることもあれば、先着順や抽選という場合もあるため、制度ごとの要件や内容をしっかりと確認しておく必要があります。

中小企業向けの補助金一覧

 

札束

中小企業が補助金を活用することで、事業に必要な資金を調達することができます。

資金調達する目的によってどの制度を活用するか異なりますが、主に中小企業向けといえる補助金は次の3つです。

  1. IT導入補助金
  2. 小規模事業者持続化補助金
  3. 中小企業省力化投資補助金

それぞれの制度を説明します。

IT導入補助金

IT導入補助金」とは、中小企業などがITツールを導入するときに活用できる制度であり、生産性向上に向けたITツール導入でかかった経費の一部が補助されます。

どの産業や業界でもデジタル化や自動化が進んでいますが、導入には多額の資金が必要です。

そのため働き方改革促進や労働環境改善、生産性向上に向けてIT機器などを導入する際に、活用したい制度といえます。

補助内容の一覧は以下のとおりです。

通常枠

中小企業・小規模事業者の課題やニーズに合ったITツール導入でかかった経費の一部を補助

補助率 2分の1以内
補助額
  • 1プロセス以上 5万円以上150万円未満
  • 4プロセス以上 150万円以上450万円以下

インボイス枠(インボイス対応類型)

中小企業・小規模事業者が会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・PC・ハードウェア等を導入するときにかかった経費の一部を補助(インボイス制度に対応した企業間取引のデジタル化推進が目的)

インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト
  • 補助率4分の3以内・5分の4以内(中小企業4分の3・小規模事業者5分の4) 補助額50万円以下(会計・受発注・決済のうち1機能以上を有することが機能要件)
  • 補助率3分の2以内 補助額50万円超〜350万円以下(①補助額50万円超の補助率は補助額の50万円以下は4分の3(小規模事業者5分の4)、50万円超は3分の2 ②会計・受発注・決済のうち2機能以上を有することが機能要件)
PC・ハードウェア等
  • 補助対象PC・タブレット等 補助率1/2以内 補助額10万円以下
  • 補助対象レジ・券売機等 補助率1/2以内 補助額20万円以下

インボイス枠(電子取引類型)

取引関係における発注者がインボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導入し、受注者である中小企業・小規模事業者に無償でアカウントを供与し利用させるときの導入費用の一部を補助

補助率

  • 中小企業・小規模事業者等3分の2以内
  • その他事業者等(中小企業・小規模事業者と受発注取引を行う事業者)2分の1以内
補助額 (下限なし)~350万円以下

セキュリティ対策推進枠

中小企業・小規模事業者がサイバーインシデントで事業継続が困難となる事態を回避し、サイバー攻撃被害が供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクをすることを目的とした制度

補助率 2分の1以内
補助額 5万円以上100万円以下

複数社連携IT導入枠

中小企業・小規模事業者が連携してITツールやハードウェアを導入し、地域DXを実現することや生産性向上を図る取り組みを行うためのITツール導入支援や連携に向けたコーディネート費、助言を行う外部専門家への謝金を含めた補助

補助対象経費や補助率、補助額は複雑であるため、「IT導入補助金2024」を参考にしてください。

なお、2024年度のIT導入補助金は、2024年10月15日締切分で終了しています。

今後の追加公募の予定はゼロではないものの、いつ始まるかわからないため、最新の情報に注意しておきましょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の取り組みを支援する補助金です。

持続的な経営に向けて、経営計画に基づく販路開拓などへ取り組むことや、併せて生産性向上に向けた業務効率化などの取り組みを支援します。

新たな販売ルートを開拓する目的のマーケティング活動や、生産性向上への費用などが対象と考えられます。

そのため補助の対象となるは以下の費用です。

  • チラシの作成費用
  • 広告の出稿費用
  • 展示会への出展費用
  • ウェブサイト構築費用

ただしウェブサイト構築費の場合は、補助金交付申請額の4分の1(最大50万円)までの上限があるため注意しましょう。

補助対象の要件

「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」で「小規模事業者」に定義されている以下の業種ごとの従業員数に該当する事業者(法人のみならず個人事業者でも申請可能。ただし医師・医療法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人など一部の事業者は対象外)

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

補助上限額・補助率

補助上限額と補助率 たとえば通常枠の場合の補助上限は50万円・補助率は2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)

なお、2024年10月現在の小規模事業者持続化補助金は、20204年5月27日に第16回公募の締め切りとなっています。

そのため現在は申請できません。

申請期間は大変短く、第16回公募でも公募要領公開から締切日までわずか19日間でした。

そのため公募開始の最新情報を入手できるようにしておきましょう。

中小企業省力化投資補助金

「中小企業省力化投資補助金」とは、中小企業等の売上拡大や生産性向上の後押しに向けて支援する制度です。

人手不足に悩む中小企業等が、IoTや、ロボットなど、人手不足解消に効果が期待できる汎用製品を導入するときにかかった経費の一部を補助します。

簡易で即効性の認められる省力化投資を促進し、付加価値額や生産性向上を図ることで賃上げへとつなげることを目指す制度です。

補助対象の要件

人手不足の状態にある中小企業等が対象であり、カタログに掲載された製品が補助対象

補助上限額・補助率

補助上限額は以下のとおり従業員数ごと異なる※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ

従業員数5名以下 200万円(300万円)
従業員数6〜20名 500万円(750万円)
従業員数21名以上 1,000万円(1,500万円)
補助率 2分の1以下

中小企業省力化投資補助金は、2024年10月現在も随時受付中となっています。

2024年8月9日以降は当面の間、随時受付とされているため申請するとよいでしょう。

ただし採択や交付決定まで、申請から1~2か月程度かかります。

予算や政策などで受付が中止されることもあるため、申請を希望するなら早めの対応をおすすめします。

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まとめ

中小企業の資金調達にうまく活用したいのが補助金などの制度です。

返還不要の資金を調達することができるため、要件を満たす場合には期限内に申請手続することをおすすめします。

ただし助成金は要件を満たせばほとんど支給対象となるのに対し、補助金は厳しい審査を通過して採択されなければ支給されません。

また、通年募集しているのではなく、1か月前後の一定期間のみ公募というケースも少なくないため、常に最新情報を確認し期限に間に合うように必要書類作成と申請を済ませることが必要となります。

補助金は実際にかかった費用を後払いで支給する制度となっているため、先に立て替えるだけの資金が必要となります。

もしも補助金を使って資金を調達することを計画しているのなら、決算書を汚すことのないファクタリングによる一時的な調達もあわせて検討してみるとよいでしょう。