ゼロゼロ融資を返済できない!支援策や解決方法は?

新型コロナウイルス感染症が拡大した時期には、ゼロゼロ融資が政府主導で行われました。事業継続のためにゼロゼロ融資を利用した事業者もあるのではないでしょうか。

ゼロゼロ融資は融資事業が終了し返済のフェーズに移行しています。今回は、ゼロゼロ融資を返済できない場合どのような対策が打てるか、解決方法を解説します。

ゼロゼロ融資とは

新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、売上が落ち込み、事業に大きな打撃を受ける事業者も相次ぎました。

コロナ禍で売上が落ち込んだ企業を支援する策として政府が主導したのが特別な融資です。後述しますが、無利子・無担保であったことからゼロゼロ融資と呼ばれました。

2020年3月から開始された企業や個人事業主向けの支援で、2021年3月31日にすべての申し込みを終了しています。

ここでは、ゼロゼロ融資について下記2つを解説します。

  1. ゼロゼロ融資は金利が発生しない?
  2. ゼロゼロ融資の返済開始時期は?

ゼロゼロ融資は金利が発生しない?

コロナ禍で実施された特別な融資がゼロゼロ融資といわれるのは、実質無利子、無担保で貸し付けが行われたためです。

実質無利子は、売上減少などの要件を満たした事業者に適用され、一定期間金利ゼロで貸し付けが行われました。一部では、金利ゼロではなく、いったん利子を預かって、利子分を事業者に戻す仕組みで実質無利子としたケースもあります。

なお、実質無利子なのは期間限定で借り入れから3年間です。実質無利子の期間を経過すると、以降の借入期間では金利が発生します。

ゼロゼロ融資の返済開始時期は?

ゼロゼロ融資は、公庫からの融資と民間からの融資の2種類があります。公庫からの融資が先に始まったため、返済開始も公庫が早いです。

返済条件にもよりますが、事業者によっては融資から数ヶ月後に返済が始まったところもあります。公庫については、2021年6月から2022年6月に返済開始のピークを迎えました。すでに多くの事業者で返済が始まっています。

一方、民間からの融資で2022年以降返済開始が集中しているのが、2023年7月から2024年4月にかけてです。2023年から2024年には、さらに多くの事業者で返済が始まります。

なお、ゼロゼロ融資では最大5年の据え置き期間が設定されました。すぐに返済が難しい場合は、交渉次第で当初の返済期間から据え置いて返済ができます。

出典:事務局説明資料(2023年6月29日)|中小企業庁 金融課

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ゼロゼロ融資を返済できないときの借り換え

公庫よりも後に開始された民間のゼロゼロ融資も、返済を開始している事業者は2023年3月末時点で5割近くに上るといいます。

一方、返済が始まっていない据置期間中の事業者、返済が難しく条件変更などを行った事業者の合計が5割近いのも事実です。

ゼロゼロ融資の返済が難しいケースでは借り換えも検討できます。借り換え候補に考えられる以下の2つについて解説します。

  1. 借換保証制度(コロナ借換保証)
  2. 早期経営改善計画策定支援事業

出典:事務局説明資料(2023年6月29日)|中小企業庁 金融

借換保証制度(コロナ借換保証)

借換保証制度は、コロナ借換保証ともいわれる制度です。ゼロゼロ融資からの借り換えや新たな資金需要に対応するために創設されました。2023年1月10日より開始しています。

制度では民間のゼロゼロ融資を上回る上限額が設定されているのが特徴です。ゼロゼロ融資の上限6千万円から1億円に上限額が拡大されており、返済に加えて事業再構築など前向きな投資にも対応します。

100%保証融資は、100%の保証で借り換えできるのも特徴です。保証期間は、ゼロゼロ融資と同じく10年以内、据置期間は5年以内に設定されます。金融機関の継続した伴走支援で、企業の事業継続がサポートされているのもポイントです。

なお、制度を利用するには、セーフティネット4号または5号の認定がある、売上高が前年同月より5%以上減少しているなどの要件を満たす必要があります。

早期経営改善計画策定支援事業

早期経営改善計画策定支援事業はポストコロナの支援制度です。中小企業の借入金増大などを背景に創設されました。早期の経営改善に取り組む企業を支援します。

借換保証制度のようにまとまった資金調達はできませんが、経営改善のための費用を補助してもらえます。

国が認定した税理士などの専門家による経営改善計画の策定やフォローアップのための費用のうち、3分の2(上限25万円)が補助の対象です。企業の資金繰りや経営状況の把握・改善に役立てる目的があります。

直接的な支援ではないものの、間接的な支援により資金繰りの改善をサポートする制度です。

ゼロゼロ融資はあくまで借金

ゼロゼロ融資は実質無利子・無担保と融資を受ける事業者にメリットはあるものの、あくまで借金です。返済義務が生じます。

ゼロゼロ融資の返済が難しい場合の借り換えについても紹介しましたが、借換制度も借金のため返済が必要です。

ゼロゼロ融資も借り換え後の融資も、予測していない事態の発生などで返済がうまくいかないと資金繰りに影響することがあります。

返済が厳しいからと安易に借り換えを利用するのではなく、財務状況の改善を優先して検討してみましょう。

PMGでは、売掛債権早期資金化事業による資金繰りの改善、財務支援による資金繰りの改善など金融支援を行っています。資金繰りにお悩みでしたら、まずはご相談ください。

    まとめ

    ゼロゼロ融資の返済が始まった事業者もあります。借換先として借換保証制度も始まりました。ゼロゼロ融資の返済が難しい場合は借り換えを検討するのも方法の1つですが、根本である財務状況の改善を図っていくことも重要です。