中小企業の経営者が自社の財務状況を確認するとき、財務諸表を読みます。
財務諸表は、正しく活用すれば経営分析や戦略策定に役立てることができます。
そこで、中小企業の財務状況を確認する方法として、財務諸表の読み方と判断指標を解説します。
財務諸表とは

財務諸表とは、一般的に決算書のことであり、以下の3つの財務三表で構成されます。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
財務諸表の主な用途は、以下のとおりです。
- 株主・債権者・出資者・取引先に対して財政状態と経営成績を報告
- 融資や出資を受けるときの与信審査
- 取引先の信用調査
- 法人税の申告
- 自社の経営分析
中小企業の場合、「自社の経営分析」が盲点となっていることが多いといえます。
「企業の通信簿」ともいえるため、状況判断や分析に活用しましょう。
損益計算書
年間の収益や、収益を出すためにかかった費用を一覧にし、最終的な利益や損失を明確にしたものが損益計算書です。
中小企業を含め、日本では赤字決算となっている企業の割合が高いと指摘されれおり、当期純利益が10%を超えている企業は多くありません。
利益が出ていた場合でも、決算時点での数字であるため、過去の損益計算書や貸借対照表を読み解いて照合した判断が必要です。
貸借対照表
企業の創業からの資産と負債、そして資産から負債を差し引いた純資産をあらわし、集めた資本をどのような使い道で使ったか示します。
負債よりも資産が多ければ収支のバランスがとれていると判断でき、純資産が増えていれば経営が安定していると判断できます。
ただし、ベンチャー企業などは固定資産を保有しないことも多いため、設立してまだ時間がたっていない企業の状況を見極めるなら、売掛金や買掛金の残高などもポイントとして押さえておきましょう。
キャッシュフロー計算書
どのくらいの現金が流入し、反対にどれだけの現金が流出したかを示すのがキャッシュフロー計算書であり、以下を確認できます。
- 本業におけるお金の流れは営業キャッシュフロー
- 投資活動の内容は投資キャッシュフロー
- 借入や返済などによるお金の流れは財務キャッシュフロー
企業の活動状況や、何に投資しどのような資本戦略で企業を成長させていくのかなど、様々な重要判断で必要な資料です。
株式未公開企業であれば作成・提出は義務化されていませんが、中小企業でも状況を知る上で作成しておきたい書類です。
3つのキャッシュフローでは、以下を判断基準にできます。
- 営業キャッシュフロー=+なら本業が順調
- 投資キャッシュフロー=資産売却に積極的なら+、設備投資が減れば−になる
- 財務キャッシュフロー=資金調達すれば+、返済が進んでいけば−になる
営業・投資・財務という3つのキャッシュフローから、それぞれの活動が適切か、経営戦略と整合性がとれているかを見極めることが必要です。


