無担保で資金調達するには?代表的な無担保融資制度やファクタリングも解説

資金調達を検討している方のなかには、何とか無担保で調達する方法がないか気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、無担保で資金を調達する方法として、代表的な無担保融資制度について紹介します。あわせてファクタリングについても解説しますので、参考にしてみてください。

無担保で資金調達する方法の有無

無担保融資とは、担保の設定が不要である融資のことです。通常、融資する際は、返済が困難になった場合の保証として、不動産や債権などに担保の設定を求められます。しかし、無担保融資であれば、担保が準備できなくても融資を受けられるのです。

無担保融資には、プロパー融資と信用保証協会付融資の2つがあります。

プロパー融資

・事業実績や返済能力などを十分に審査し、担保の必要がないと判断した上で行う融資

・日本政策金融公庫などが実施

信用保証協会付融資

・公的機関である信用保証協会が信用保証をする融資

無担保で資金調達できる融資の種類と特徴

無担保融資が利用できる融資には、下記のような種類があります。

  1. カードローン
  2. キャッシング
  3. フリーローン
  4. 目的別ローン

ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。

カードローン

カードローンとは、金融機関、消費者金融で提供されているローン商品のことです。限度額に満たない借入であれば使い道は自由なので、利用目的を問わず、自由に借り入れできるメリットがあります。一方、借り入れの金利が高めな点がデメリットです。

キャッシング

キャッシングとは、クレジットカードに付帯するキャッシング機能を利用して借入することです。

カードローンと同じく、使い道は決められておらず、利用枠の範囲内であればATMなどから自由に借入できます。ただし、利用枠は少額であることが多く、まとまった融資が必要なときには適していません。

フリーローン

フリーローンは、銀行で利用できる無担保ローンで、多目的ローンと呼ばれることもあります。比較的、低い金利で利用できるのがメリットです。ただし、審査に時間を要するというデメリットもあります。

目的別ローン

目的別ローンとは、金融機関が取り扱うローン商品で、融資資金の利用目的が限定されている融資のことです。フリーローンより低金利で利用できるという大きなメリットがある反面、使途証明書を提出することが必要です。

無担保融資のメリット・デメリット

無担保融資には、担保や保証人を準備できなくても、気軽に融資が受けられるメリットがあります。また、担保を失うリスクがない点も、利点といえるでしょう。担保を設定しない分、必要な書類や手続きにかかる時間なども少なくて済みます。

一方、担保が必要な融資と比べると、返済されないリスクがある分、金利が高めに設定されていることが無担保融資の大きなデメリットです。また、融資上限が少額になりがちである点にも、注意が必要です。

代表的な無担保融資制度

ここでは、無担保融資制度の中から、日本政策金融公庫の代表的な融資制度をご紹介します。なお、詳しい内容については、公式サイトでご確認ください。

名称

融資限度額

金利(年利)

返済期間

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

・国民生活事業は、7,200万円まで

・中小企業事業は、1社あたり10億円まで

・返済期間に応じて変動する

・国民生活事業、中小企業事業ともに以下の利率内で変動

【1円未満】0.50%

【1円以上】3.60%~4.65%

・5年1ヶ月以上20年以内

担保を不要とする融資

・4,800万円まで

・0.70%~3.20%

・定められた返済期間内

新創業融資制度

・3,000万円まで

※うち、運転資金は1,500万円まで

・1.00%~3.50%

・定められた返済期間内

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

・2,000万円まで

・1.20%

・運転資金は7年以内(据置期間は1年以内)

・設備資金は10年以内(据置期間は2年以内)

生活衛生改善貸付

・2,000万円まで

・1.20%

・運転資金は7年以内(据置期間は1年以内)

・設備資金は10年以内(据置期間は2年以内)

売掛債権を使う資金調達もある

ここまでは、担保がない状態で資金を借入する方法について紹介してきましたが、融資を受ければ必ず返済しなければなりません。そのため、返済期日までに元本に利子を加えた現金を準備する必要があり、返済に際して資金繰りに苦慮するリスクがあります。

そのようなリスクを避けたい場合、売掛債権を使った資金調達の方法もおすすめです。具体的には、売掛債権担保融資やファクタリングが挙げられます。どのような資金調達方法なのか、順番に見ていきましょう。

売掛債権担保融資とは

融資を受けて資金を調達しようとする場合には、不動産を担保にするケースが多いかもしれません。ただ、売掛債権も資産ですので、担保にしてお金を借りることは可能です。

その方法が売掛債権担保融資ですが、重要となるのは担保となる売掛債権の信用力です。売掛先は確実に売掛金の支払いができる信用力の高い企業なのか、取引の頻度やその内容などを確認されます。

それと同時に、借り入れを行うわけですので、融資を受けようとする企業の財務や納税状況などもしっかり審査されることになります。

返済を滞った場合

売掛債権担保融資で借り入れを行い、期日どおりに返済を行えば売掛金は通常通りの取り扱いとなります。しかし返済が滞った場合には、売掛先に債権譲渡が通知されることとなり、その売掛債権から返済分が回収されるという流れです。

ファクタリングとは

一方のファクタリングは、売掛債権を譲渡することで実際に入金予定となる期日よりも先に現金化させる方法です。

借り入れではないため、利用の際に実施される審査で重視されるのはやはり売掛先の信用力となり、ファクタリングの利用者の財務や納税状況はさほど重視されないことが特徴でもあります。

売掛債権が回収不能になった場合

基本的にファクタリングの場合、専門業者に譲渡した売掛債権がのちに回収不能状態に陥ったとしても、その債権の買戻しを求められることはありません。

この取引をノンリコースといいますが、売掛金未回収による貸し倒れリスクはファクタリングの専門業者が負う形で取引が行われます。

売掛債権に譲渡禁止が盛り込まれてないか確認を

なお、売掛債権に譲渡禁止の内容が盛り込まれている場合には、売掛先に譲渡禁止条項解除してもらうか、了承を得なければ売掛債権担保融資の担保として利用することも、ファクタリングで専門業者に買い取ってもらうこともできませんので注意してください。

売掛債権を使った資金調達はどちらがおすすめ?

売掛債権を使って資金を調達しようと考えたとき、売掛債権担保融資のほうが利息の負担は軽めですが、審査のハードルは高めです。

ファクタリングは審査のハードルが低めですが、利用の際にかかる手数料は売掛債権担保融資よりも高めになってしまうでしょう。

ただ、万一売掛先が倒産などで売掛債権が回収できなくなったときを考えると、リスクを抑えて安心して資金を調達できるファクタリングのほうがメリットは大きいといえます。

まとめ

無担保で資金調達する方法の代表例として、無担保融資やファクタリングが挙げられます。

無担保融資は、担保や保証人なしで気軽に融資が受けられるなどメリットが多い一方で、利子が高くなるなどのデメリットもあるため、注意が必要です。

また、売掛債権を使って資金調達する方法もあります。売掛債権担保融資やファクタリングが代表例です。特にリスクを抑えて資金調達したい場合は、ファクタリングを検討するとよいでしょう。