コロナ禍とアフターコロナにおける卸売業の動向の確認と予測

国内卸売業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、物流や人流が大幅に制限されることとなり、国内卸売業の動向を見ると市場規模が大きく縮小したと感じるはずです。

長期的な動向として、国内市場縮小や卸売業の中抜きなどで市場縮小は見込まれていました。

いずれにしても今後は国際物流の減少により、卸売業界は厳しい市場環境が懸念されているといえます。

そこで、いずれ新型コロナが収束した後の商慣習を見据え動向を予想することが必要であり、新たな生活習慣に対応した卸売業の見直しが必要になると考えられます。

 

現状の卸売業界の動向

経済産業省が公表している「商業動態統計」では、2020年12月の卸売業全体の販売額は35兆4,210億円で、前年同月と比べるとマイナス4.7%となっていました。

さらに2020年1年間の卸売業全体の販売額は356兆円で、2019年と比較するとマイナス12.2%となってしますが、これは2019年末から海外経済が減速し米中貿易摩擦や新型コロナウイルスが影響したと考えられます。

 

今後の卸売業の動向の見通し

新型コロナウイルス対策としてワクチンの接種も始まりましたが、いつ感染拡大が収束するのか、その目途は立っていません。

どの産業でもウィズコロナに対応しつつあり、卸売業でもイベント会場で行う商品展示会を現場とオンラインで並行開催するといった商談スタイルに変更しつつあります。

それに加えテレワークやリモート会議などを活用し、新たな事業環境で事業を再活性化させていかなければなりませんが、インターネット活用の商談フローの確立や、従来までの営業・販促資料は新たな商談形態に対応できる形式に変えていくことも必要となるでしょう。

また、ECなどオンライン取引を強化するといった工夫も必要で、一時的な対応ではなく強みにできるような戦略を立てていくことも求められます。

 

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アフターコロナの前に行っておきたいこと

コロナ禍の先行きは不透明といえますが、多くの卸売業者にはマイナスの影響になっているため、今の間にアフターコロナの業界変化を見据えながら戦略の見直しや策定を行っておいたほうがよいといえます。

その中で注目したいのが、2020年末に政府が宣言した「2050年炭素ガス排出ネットゼロ」の取り組みです。

炭素削減に対する関心はこの先より高まると予想されますが、炭素排出量の計算は調達先を含めサプライチェーン全体で取り組んでいくことが求められています。

卸売業にも対応が求められることとなるため、社内や取引先の取り組み状況もしっかり把握しておいたほうがよいでしょう。