銀行からの融資を断られる会社の特徴とは?融資を受けるための方法も解説

事業継続や拡大のために、何よりも必要となるのが現金です。赤字の不安がある企業に限らず、最新設備の導入や人材獲得のために普段以上の予算が必要となる場合は、銀行からの融資に頼ることとなります。

しかし、なかには付き合いのあった銀行であっても「これ以上は難しい」「今の経営状況では無理」と融資を断られるケースがあります。

今回は、なぜ銀行からの融資を断られるのか、原因と対策を解説します。

銀行の融資を断られる会社の特徴とは?

事業拡大など、経営時はさまざまな場面で資金調達が必要です。必ず返済できると思っていても、いざ融資を相談してみると銀行から断られるケースは珍しくありません。

なぜ銀行は融資を断るのか、原因はいくつかあげられます。ここでは銀行の融資を断られる会社に共通する特徴を6つ紹介します。

  1. 返済能力の有無
  2. 資産の状況
  3. 損益状況
  4. 資金繰りの状況
  5. 過去の融資に関する違反や返済の延期
  6. 税金や公共料金の滞納

返済能力の有無

返済能力に不安があるケースです。信用情報に傷がある企業は、返済能力がない(融資した資金が回収できない)とみなされる場合があります。

信用情報が傷つく理由はさまざまです。返済や支払いの滞納、クレジットローンの残金がある、債務整理を利用した、クレジットカードの強制解約が行われたなど、多くの要因があげられます。

傷がついた信用情報は、5~10年ほど残る仕組みです。仮にほかの金融機関へ相談したとしても、信用情報は共有されるので同じように断られる可能性があります。

資産の状況

現在所有している資産の状況が悪い場合も注意が必要です。現在の資産で借入金があること自体は、必ずしも問題視されるわけではありません。重要なのは、純資産の増減具合や預貯金と借入金のバランスです。

銀行が資産状況を確認するとき、総益計算書よりも現時点の財政状態を表す貸借対照表のほうが重視されます。3期分の貸借対照表を比較して、資産と負債のバランスがとれているかを確認します。

銀行が確認したとき、純資産がマイナスで債務超過となっている場合、融資を受けるのは困難です。

損益状況

売上や経費の変化など、一定期間の損益状況が厳しい場合です。前述で貸借対照表のほうが重視されると解説しましたが、損益計算書が確認されないわけではありません。損益計算書も、3期分の状況を確認されるのが一般的です。

損益計算書では、主に下記の変化を確認します。

  • 売上高
  • 売上原価
  • 利益
  • 経費

損益状況が赤字でも、融資を受けられる場合があります。赤字があるという理由だけで断られるケースは少なく、今後解消される見込みがあるか否かが重視されます。

資金繰りの状況

会社の資金繰りがうまくいっていないケースです。資金収支をみるときは、実際の現金の動きを確認します。預金通帳や現金出納簿を確認して、入金>出金となっているかどうかで資金繰りがうまくいっているかを判断するのが一般的です。

ポイントは、損益と収支は別物であることです。損益は、売上が発生したときに経費を差し引いた残りの数字をさしており、現金の動きをさすものではありません。収支は、実際に動いている現金の状況を表します。

具体的には、損益では「(経費を差し引いて)いくら儲かったのか」を、収支では「現金がいくら残っているのか」を確認できます。

損益計算書と照らし合わせて、現金の動きに妥当性があるのかを判断するのが目的です。事業規模に適した入金・出金か、水道光熱費やテナント料、借入金の返済などに滞りはないかなど、さまざまな項目で現金の動きが確認されます。

過去の融資に関する違反や返済の延期

過去の融資に関するトラブルの有無です。なかでも重視されるのが、条件違反をしたり返済予定を延期した過去がある場合は、融資を断られる可能性が高くなります。

融資を検討するとき、取り決めた返済計画のとおりに現金を回収できる見込みがあるかどうかで判断されます。過去に条件違反を行った方や、返済予定を延期した事実がある方は、再び同じようなトラブルを引き起こすリスクがあると考えられます。

加えて、返済予定の延期は財政状態の悪化が疑われる要素です。過去に約束を破った事実があり、財政状態が悪くなっている企業であれば、融資は受けにくくなります。

もちろん、過去ではなく現在進行形で条件違反によるトラブルや返済予定の延期が起こっている企業も、新たな融資を受けるのは困難です。

税金や公共料金の滞納

税金や公共料金などの支払いに滞納がある場合です。税金や公共料金は、本来支払うべきものであり、定期的に発生する支出でもあります。支出が予見できている費用をきちんと支払えていないということは、現金が手元にない状態であると判断できます。

融資したとしても、取り決めどおりに返済してくれるとは限りません。回収リスクがあり、信用もないため、融資を受けることは困難です。

滞納しているのが税金の場合、銀行以外の金融機関も審査に落ちやすくなるのが特徴です。

例えば、幅広い業種・事業主に対して融資している日本政策金融公庫は、国が運営する金融機関です。メガバンクなどと比べて融資の条件が緩い一方で、税金滞納者や未納者に対しては、審査が厳しくなります。

銀行に限らず、信用は融資を受けるうえでもっとも重要な要素のひとつです。税金をはじめ支払うべき費用はきちんと対応し、信用を落とさないようにしましょう。

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銀行から融資を断られないようにするためには?

銀行が融資を渋るとき、必ずしも現金や借金の有無のみが理由となるわけではありません。前述のとおり、信用があるか、回収見込みがあるかも含めて総合的に判断されます。

経営者が銀行からの融資を引き出すためには、断られる理由を把握して、事前に対策することが大切です。

銀行から融資を断られないための対策として、次の2つがあげられます。

  1. 融資金額・資金使途・返済計画を明確にする
  2. 決算書の内容をしっかり作り込む

それぞれについて解説します。

融資金額・資金使途・返済計画を明確にする

銀行は、融資した現金がどのような目的で活用されるのかも重視します。「事業拡大したいから、現金が必要」など、漠然とした理由のみでは審査を受けられません。まずは融資金額・資金使途・返済計画を明確にして、銀行が正しく検討できるようにしましょう。

資金使途は、借り入れた資金がどのようなことに使用されるのかをさします。例えば、事業拡大と一口にいっても、人材確保のためなのか、新しい機械を導入するためなのかなど、用途は多岐にわたります。

どのような用途でいくら使用する予定なのか、今後どのような計画で返済していくつもりなのか、しっかりと情報を整理して伝えることが大切です。

決算書の内容をしっかり作り込む

銀行は融資対象となる企業を、あらかじめ格付けしたうえで審査を行います。格付けに大きく影響するのが、決算書です。

決算書は単純に儲けがあるかの有無のみならず、下記のとおり複数の観点から確認されます。

  • 売上持続性
  • 生産性
  • 収益性
  • 健全性
  • 安全性
  • 効率性

売上がしっかり得られていたとしても、健全な経営とはいえない状況であれば、格付けが下げられるおそれがあります。まずは銀行が信用できる企業と判断してくれるように、質の良い決算書を作成することから始めましょう。

書類作成に不安がある方は、専門家によるサポートの活用がおすすめです。PMGでは、下記のようなサポートを実施しております。

  • 済計画の作成
  • 決算書の内容改善

上記の書類を作成するとき、どのような点に注意すべきかなど、専門的な観点からアドバイスを行います。資金調達の方法に関するご相談にものっておりますので、ぜひご活用ください。

ご相談窓口

まとめ

銀行融資が難しいなら、ファクタリングという方法もあります。ファクタリングとは、売掛金や受取手形の債権譲渡を利用して、資金調達する方法です。短期間で現金を調達できるため、金融機関での審査を待つ時間的余裕がない方にも適しています。