【新規事業助成金8選】事業立ち上げ時の助成金について徹底解説

新規事業に取り組むための資金調達をする上で、欠かせないのが助成金の活用です。

助成金とは、主に、公的機関が支給する返還が不要の給付金のことです。労働環境の改善に取り組む事業者などを支援するもので、条件を満たせば受給できます。

新規事業は、多くの資金が必要になる反面、実績がないため、銀行融資による資金調達は期待できません。そのため、使える助成金はすべて使うことが、資金調達をスムーズにする上で重要です。

ただし、助成金には多くの種類があるため、「どのような制度があるのか」「申請手続はどうなっているのか」よくわからないという方も多いでしょう。

そこで今回は、新規事業で使える助成金について、概要やメリット・デメリット、おすすめの助成金8選などについて紹介します。

そもそも助成金とは?補助金との違いも解説

助成金とは、国・自治体・民間団体が支給する、返還不要の支援金のことです。労働環境の改善に取り組む事業者などを支援するための制度で、各助成金で定められた条件を満たすことで支給を受けられます。

国の施策を踏まえた取り組みに対して助成されることが多く、

・雇用制度の充実
・人材の定着のための取り組み
・従業員の労働環境改善
・人材の育成

などを対象としているのが一般的です。

【助成金の特徴】

  • 返還が不要
  • 主に公的機関が実施
  • 条件を満たす可能性がある

助成金は、主に厚生労働省が取り扱っています。具体的なイメージをつかむためにも、その特徴を見ておきましょう。

厚生労働省の取り扱う助成金の主な特徴

目的

事業者の労働環境改善や雇用対策・人材育成を支援すること

対象

【内容】雇用に関連すること

【事業者】従業員を雇用している雇用保険適用事業者

【費用】人材の雇用や能力開発にかかる経費

財源

事業者の負担する雇用保険の保険料と税金の一部

支給金額など

  • 制度によって支給される金額の上限は異なる
  • 一般的に数十万円から100万円程度にとどまる
  • 経費として実際に支払った後で支給される後払い方式
  • 「かかった経費の2分1まで」など、支給割合も決まっている

申請可能時期

年間通して申請できる

期待できる効果

  • 働き方改革が推進され、労働者が働きやすい環境を確保できる
  • 雇用創出や人材定着などを図ることができ、新たな雇用が生まれる

なお、雇用関係の助成金だけでなく、研究開発型の補助金なども活用することで、多額の資金を調達したり、経営環境を改善したりすることにもつながります。

助成金と補助金の違い

助成金と似ている制度に、補助金があります。補助金は、受給要件を満たしていても必ずしも 受給できるとは限らない点が、助成金との大きな違いです。

その他の代表的な違いを見ておきましょう。

助成金

補助金

主に管轄する省庁

厚生労働省

経済産業省

主な目的

事業者の労働環境改善や雇用対策・人材育成を支援することなど

新規事業・サービスの支援・地域振興・公益につながる事業の促進など

主な財源

事業者の負担する雇用保険の保険料と税金の一部

税金

支給を受ける条件

受給要件を満たす

受給要件を満たすことに加え、審査に合格する必要がある場合が多い

申請可能時期

年間通して申請できる

助成金に比べて公募期間が短く、募集開始から1ヶ月程度で締め切ってしまうものもある

補助金は、助成金よりも上限額が高い場合もありますが、採択件数や予算は、あらかじめ決まっているケースが多い傾向にあります。

そのため、事業計画などの審査・採択を経る必要があり、応募件数が多い場合は、高い競争倍率に勝ち抜くことが必要です。

助成金と補助金、それぞれに優れている点があります。どちらも使えるものは有効活用して、より多くの資金を調達しましょう。

新規事業助成金のメリット

新規事業助成金とは、新たな事業を始めるときに資金調達できる制度であり、助成金を利用するためには提出書類や支給されたお金を使用する目的は明確にすることが必要です。

銀行融資よりは難易度が低いため活用したい制度ですが、新規事業助成金で資金調達することには、主に次の3つのメリットがあります。

  1. 返還する必要がない
  2. 人材確保・定着につながる
  3. 社会的信用が高まる

それぞれどのようなメリットか説明します。

返還する必要がない

1つ目のメリットは、返還する必要がないことです。

助成金は要件を満たした上で申請すれば、ほとんど支給されるという特徴があるため、採択などが必要となる補助金よりも難易度は低めです。

銀行融資で資金調達したときには返済原資を生み出すことが重要であり、返済を続けることが必要となりますが、助成金は返す必要はありません。

なお、助成金は会計帳簿上、本業と関係のない雑収入として計上されます。

人材確保・定着につながる

2つ目のメリットは、人材確保・定着につながることです。

助成金申請に向けて実際に取り組み、従業員が働きやすい会社の制度を整備することで、労働環境改善につながります。

その結果、適正な労働環境が整備されることになり、従業員の満足度も向上させることが可能となるため、人材確保や定着につながるでしょう。

また、研修制度やメンター制度など整えることにより、新入社員を迎え入れたときにも仕事に必要な技術や知識を身につけることができる環境も整います。

従業員教育の充実している会社と認知されれば、優秀な人材を採用できる機会が増えるでしょう。

社会的信用が高まる

3つ目のメリットは、社会的信用が高まることです。

助成金は厚生労働省などの定めた要件を満たしたときに支給されるため、助成金を受給できることで審査に合格したという社会的な信用を得ることができます。

なお、偽った内容で助成金を受給してしまうと不正受給となり、会社名が公表され社会的に信用を失います。

せっかくはじめた新規事業が失敗に終わることになるため、たとえ故意でなくても不正受給と認定される申請には注意してください。

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新規事業助成金のデメリット

新規事業を立ち上げるときには多額の資金が必要ですが、どのような事業を立ち上げるときにも同じです。

さらに事業立ち上げには人員も必要となるため、人を雇用する上でも費用がかかります。

しかし新規事業を立ち上げたばかりで十分に実績がない時期は、売上もほとんど期待できず、初期投資で一過性の赤字経営というケースもめずらしくないといえるでしょう。

たとえ赤字でも人を雇用していれば、毎月給料を支払うことが必要であるため、新規事業は莫大な資金がなければ実行できないともいえます。

しかし新規事業助成金のメリットを活用すれば、返す必要のない資金を調達することができるといえますが、次の3つのデメリットには留意しておくことが必要です。

  1. 申請要件が複雑
  2. 申請に手間がかかる
  3. 受給まで時間がかかる

それぞれどのようなデメリットか説明します。

申請要件が複雑

1つ目のデメリットは、申請要件が複雑であることです。

助成金として設けられている制度は種類が多く、政策に合わせて廃止や新設など内容も頻繁に変更されています。

提出しなければならない書類も多く、申請する前に必要書類の準備など計画的に行うことが必要です。

特に助成金は申請要件を満たすとほとんどが支給されるため、不正受給を防ぐために要件や審査が年々厳しくなっていることは留意しておきましょう。

申請に手間がかかる

2つ目のデメリットは、申請に手間がかかることです。

助成金が実際に支給されるまでには、申請から受給までの書類を作成しなければなりません。

労働局やハローワークなどの審査や確認を受け、たずねられたことには応えなければならないなど、多くの手間がかかります。

そのため助成金の申請が初めてという場合、条件を満たしていないこともあれば書類に不備があり申請できないという場合もあるため、必ず要件や書類がそろっているか確認した上で申請するようにしましょう。

受給まで時間がかかる

3つ目のデメリットは、受給まで時間がかかることです。

助成金は受給要件を満たせばほとんどが支給対象となるものの、すぐに支給されるわけではありません。

申請してから支給が決定するまで、たとえば半年や1年近くかかるケースもあり、近年では期間がさらに延びている傾向も見られます。

厳格な審査が行われていることなども関係していますが、基本、助成金は後払いとなるため実際に手元に支給されるまでの費用は一時的に立て替えが必要となることを留意しておきましょう。

新規事業助成金の種類

助成金は補助金と異なり、一定の受給要件を満たすと支給される制度なので、中小企業にとっても比較的難易度が低いことが特徴です。

新規事業助成金は新規事業の立ち上げのときに利用できる制度であるため、新たに事業をスタートする方が雇用や人材育成に向けて取り組むときには大変便利ですが、数が多くてどの制度を選べばよいか迷うこともあるでしょう。

主に新規事業をスタートさせるときに活用したい助成金として、候補として挙げられるのは次の8つです。

  1. キャリアアップ助成金
  2. トライアル雇用助成金
  3. 人材確保等支援助成金
  4. 人材開発支援助成金
  5. 両立支援等助成金
  6. 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
  7. 創業助成金
  8. インキュベーション施設整備・運営費補助事業

それぞれの助成金について説明していきます。

①キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金」とは、パート・アルバイト労働者・派遣労働者などの非正規雇用労働者が企業内でキャリアアップすること促進するため、正社員として採用することや処遇改善などに取り組む事業者をサポートしている制度です。

いくつかコースがあり、たとえば「正社員化コース」であれば非正規雇用労働者を正社員に転換または直接雇用し、一定要件を満たしたときに受け取ることができます。

中小企業がキャリアアップ助成金の正社員化コースを申請した場合、受け取ることができる金額は以下のとおりです。

有期雇用非正規労働者を正社員にした場合 57万円
有期雇用非正規労働者を正社員にし、生産性向上要件を満たす場合 72万円
無期雇用非正規労働者を正社員にした場合 28万5,000円
無期雇用非正規労働者を正社員にし、生産性向上要件を満たす場合 36万円

②トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金」とは、職業経験不足などで就職が困難な求職者を無期雇用契約に移行することを前提に、一定期間試行雇用する事業者をサポートする制度です。

主に求職者の早期就職を実現させることや雇用機会創出を図ることを目的としており、求職対象者に応じて次の2つのコースを申請できます。

  1. 一般トライアルコース
  2. 障害者トライアルコース

があります。

一般トライアルコース

一般トライアルコース」とは、トライアル雇用助成金のうち、次のいずれかに合致する求職者を対象としているコースです。

  • 紹介日前日から過去2年以内に2回以上転職または離職している
  • 紹介日前日時点で離職期間が1年を超えている
  • 妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
  • 55歳未満でハローワークの担当者制による個別支援を受けている
  • 就労に特別な配慮を要する(生活保護・一人親家庭の親・日雇労働者・季節労働者など)

助成額は、支給対象者1人につき月額4万円ですが、対象者が一人親家庭の親(母子家庭の母または父子家庭の父)の場合には1人につき月額5万円となります。

障害者トライアルコース

障害者トライアルコース」は、トライアル雇用助成金のうち、次のいずれかに合致する障がいを持つ求職者を対象としているコースです。

  • 紹介日前日から過去2年以内に2回以上転職や離職をしている
  • 紹介日前日時点で離職期間が6か月を超えている
  • 就労経験のない職業への就職を希望している

なお、重度身体障がい者・重度知的障がい者・精神障がい者の場合、上記の要件を満たさなくても対象であり、雇用する障がい者の障がいの原因・内容は問われません。

助成額は、支給対象者1人につき月額4万円(最長3か月間分)ですが、テレワークによる勤務を行う場合にはトライアル雇用期間を6か月まで延長できます。(支給額は3カ月分となり期間延長分の支給はなし)

③人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金」とは、魅力ある職場づくりに向けた取り組みを行う事業者や事業協同組合などをサポートする制度です。

一般的な中小企業向けの人材確保等支援助成金には、次の3つが挙げられます。

  1. 中小企業団体助成コース
  2. 外国人労働者就労環境整備助成コース
  3. テレワークコース

それぞれの人材確保等支援助成金の内容を説明します。

中小企業団体助成コース

中小企業団体助成コース」とは、改善計画の認定を受けている中小企業団体(事業協同組合)などが、構成中小企業者のための人材確保や職場定着をサポートする事業を行ったときに助成する制度です。

労働環境向上を図る事業に対し助成するため、雇用管理改善を推進し、雇用創出を図ることが目的です。

助成額 1年間の中小企業労働環境向上事業の実施にかかった経費の3分の2の額
支給限度額 大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上) 1,000万円
中規模認定組合等(同100以上500未満) 800万円
小規模認定組合等(同100未満) 600万円

外国人労働者就労環境整備助成コース

外国人労働者就労環境整備助成コース」とは、外国人特有の事情に配慮した就労環境整備(就業規則の多言語化など)を通じて、外国人労働者の職場定着に取り組んでいる事業者をサポートする制度です。

対象事業者 以下の要件を満たす事業者
・外国人労働者に対する就労環境整備措置を新しく導入し、外国人労働者全員に対し実施する
・就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後、外国人労働者の離職率が10%以下である など
支給上限額 支給対象経費の2分の1(上限57万円)・生産性要件を満たした場合は3分の2(上限72万円)
支給上限額 支給対象経費の2分の1(上限57万円)・生産性要件を満たした場合は3分の2(上限72万円)
要件 就労環境整備措置(雇用労務責任者の選任・就業規則等の社内規程の多言語化など)の導入や実施・離職率目標の達成など

テレワークコース

テレワークコース」とは、質のよいテレワークを制度導入・実施することにより、人材確保や雇用管理改善の観点で効果のみられた中小企業事業者をサポートする制度です。

この「テレワークコース」は毎年度、必要要件が改定されており、2023年度の改正ではテレワークで使用するパソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末のレンタルやリースでかかる費用が助成対象になっています。

ただし対象となる経費は最大6か月分の合計77万円までで、さらに賃金要件(賃上げ加算)を満たしたときには、目標達成助成の助成率が割り増しで支給されます。

なお、改正により生産性要件は廃止されました。

助成金額 機器等導入助成:1企業あたり支給対象となる経費の30%
目標達成助成:企業あたり支給対象となる経費の20%(賃金要件を満たす場合35%)
要件 機器等導入助成:評価期間(機器等導入助成)において1回以上テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施 など
目標達成助成:評価時離職率が計画時離職率以下であること など

④人材開発支援助成金

「人材開発支援助成金」とは、事業主が労働者に職務関連の専門的知識・技能を習得させるための職業訓練を行ったときに、かかった訓練経費や訓練期間中の賃金の一部をサポートする制度です。

支援内容としては、次の4つのコースが設けられています。

  1. 人材育成支援コース
  2. 教育訓練休暇等付与コース
  3. 人への投資促進コース
  4. 事業展開等リスキリング支援コース

それぞれの人材開発支援助成金の内容について説明します。

人材育成支援コース

人材育成支援コース」とは、職務に関連する知識・技能を習得させる訓練を計画的に行ったときにかかった訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等をサポートする制度です。

制度で助成対象となる経費は、以下の費用となっています。

部外講師の謝金・旅費・施設・設備の借上げ費・カリキュラム開発作成の外部委託費・社会保険労務士の手数料・外部教育訓練施設の受講料・教科書代など

受給条件 セミナー受講が10時間以上
助成額 受講費用の45%+賃金助成380円/時間
限度額 20時間以上100時間未満:15万円
100時間以上200時間未満:30万円

教育訓練休暇等付与コース

教育訓練休暇等付与コース」とは、事業者が導入した教育訓練休暇制度を利用し、労働者が自発的に訓練を受けたときに事業者をサポートする制度です。

労働者が社外で教育訓練を受けるために、法定以外に有給休暇を取得できる制度を導入し、実際に労働者が休暇を取得したとき支給されます。

教育訓練休暇等付与コース」では雇用保険被保険者がいれば利用できる制度ですが、在籍している雇用保険被保険者の人数ごとに、教育訓練休暇取得の最低人数を満たすことが必要です。

3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用
した事業主に助成(制度導入に対して30万円を支給)

人への投資促進コース

人への投資促進コース」とは、デジタル人材・高度人材育成訓練・労働者の自発的な訓練・サブスクリプション型の研修サービスなどを対象とした訓練などを実施した事業者をサポートする制度です。

職務に関連した訓練を行ったときや、労働者の自発的な職業能力開発促進制度を導入・適用した場合にかかった訓練経費や訓練期間中の賃金の一部、制度導入のための経費を助成する人材開発支援助成金で、人材育成に取り組む事業主を支援しています。

事業展開等リスキリング支援コース

事業展開等リスキリング支援コース」とは、新規事業を立ち上げるなどの事業展開に伴う新分野の知識・技能習得に向けた訓練を行った事業者をサポートする制度です。

新商品の製造・新商品やサービス提供などにより新規分野に進出するときや、デジタル技術を活用することでの業務効率化や脱炭素化などに取り組むことを目的としたデジタル・グリーン化に対応した人材育成で活用することもできます。

経費助成率 中小企業の場合:75% 大企業の場合:60%
賃金助成額 中小企業1人1時間あたり960円 大企業1人1時間あたり480円
※経費助成限度額・賃金助成限度額あり。1事業所が1年度に受給できる助成額は1億円

「事業展開等リスキリング支援コース」を申請する前提として、職業能力開発推進者を選任し職業訓練計画を策定することが必要です。

選任・策定した上で、訓練を開始した日から起算して1か月前までに都道府県の労働局に「訓練実施計画届・年間職業能力開発計画」を提出してください。

なお、申請する際には一定要件を満たすことが必要となるため、詳しいことは各労働局に直接問い合わせるか、リーフレットなど確認するとよいでしょう。

⑤両立支援等助成金

「両立支援等助成金」とは、仕事と育児・介護を両立する制度を導入した事業者や、女性が活躍できる取り組みを行う事業者をサポートする制度です。

優秀な人材の確保や定着につなげることを目的とした制度でえあり、次の4つのコースに分かれています。

  1. 出生時両立支援コース
  2. 介護離職防止支援コース
  3. 育児休業等支援コース
  4. 不妊治療両立支援コース

それぞれの両立支援等助成金の内容について説明します。

出生時両立支援コース

出生時両立支援コース」では、男性労働者が育児休業を取得できる雇用環境整備や業務体制を整備したことで実際に労働者が休暇を取得した中小企業や、男性の育児休業取得率が上がった中小企業に対しサポートする制度です。

男性従業員が育児休業を取得したとき、最大65万円が支給される助成制度ですが、助成金は事業所単位ではなく事業主単位で支給されます。

そのため申請も本社など人事労務管理機能を有する部署の属する事業所が行うようにしてください。

対象事業者 育児・介護休業法による雇用環境整備を行い、男性社員に子が生まれて8週間以内に5日以上の育児休業を取得することができる中小企業
助成金額 20万円(1事業主1回限り)
代替要員加算20万円(代替要員が3人以上の場合、45万円)

介護離職防止支援コース

介護離職防止支援コース」とは、策定した介護支援プランに基づいて労働者の円滑な介護休業取得や復帰に取り組む中小企業や、導入した就業と介護を両立する制度を実際に労働者が利用した中小企業をサポートする制度です。

本制度についても事業所単位ではなく事業主単位で支給されるため、本社など人事労務管理機能を有する部署の属する事業所が申請することが必要となります。

支給金額は以下のとおりです。

介護休業 休業取得時:28.5万円 職場復帰時:28.5万円
介護両立支援制度 28.5万円
新型コロナウイルス感染症対応特例 5日以上10日未満:20万円 10日以上:35万円

※いずれも1事業主1年度5人まで支給

育児休業等支援コース

育児休業等支援コース」とは、育休復帰支援プランを策定した上でスムーズな育児休業の取得や職場復帰に関する取り組みを行った中小企業や、育児休業中の業務代替体制を整備した中小企業や、職場復帰後の労働者を支援するための取り組みを行った中小企業をサポートする制度です。

対象事業者 継続して3か月以上の育児休暇を取得した労働者が在籍する中小企業
育児休暇復帰後に継続して6か月以上経過した労働者が在籍する中小企業
支給額 通常の企業 生産性要件を満たした場合
育児休暇取得時 28.5万円 36万円
職場復帰時 28.5万円 36万円
職場支援加算(※職場復帰時に加算) 19万円 24万円

なお、両立支援助成金(育児休業等支援コース)では申請を次の2回に分けて行うことが必要です。

休業取得時 育児休業開始日から3か月後〜2か月以内
職場復帰時 職場復帰から6か月後〜2か月以内

休業取得時の申請しなかった場合には、その後に行う職場復帰時も申請できなくなるため注意してください。

なお、本制度についても事業所単位ではなく事業主単位で支給されるため、本社など人事労務管理の機能を有する部署の属する事業所が申請することが必要です。

不妊治療両立支援コース

不妊治療両立支援コース」とは、仕事と不妊治療を両立するために職場環境整備に取り組み、不妊治療を目的に利用する休暇制度や両立支援制度(所定外労働制限制度・時差出勤制度・短時間勤務制度・フレックスタイム制・テレワーク)を導入し、労働者が実際に利用したときに中小企業をサポートする制度です。

本制度についても事業所単位ではなく事業主単位での支給となるため、本社など人事労務管理機能を有する部署の属する事業所が申請するようにしてください。

対象事業者 労働者が不妊治療のための休暇制度・両立支援制度を設ける一定要件を満たす中小企業
支給額

労働者が休暇制度・両立支援制度を合計5日(回)利用した場合28.5万円(36万円)

受給後、労働者に不妊治療休暇制度を20日以上連続取得させ、現職復帰させて3か月以上継続勤務させた場合28.5万円(36万円)
※1事業主1回限り

⑥地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」とは、雇用機会の不足する地域の事業者が事業所設置・整備などに併せて地域に居住する求職者を雇用する場合にかかった設置整備費用を対象労働者増加数に応じてサポートする制度です。

支援内容としては、1年ごとに最大3回まで支給を受けることができます。

⑦創業助成金

創業助成事業」とは東京都の制度であり、東京都内で創業する予定がある個人または創業から5年未満の中小企業者のうち、一定要件を満たす場合に創業初期にかかった経費の一部をサポートする制度です。

助成対象となる事業については、最長2年間に渡り人件費や事務所賃借料等事業にかかった経費の一部を助成してもらえます。

また、助成対象期間が終了した後でも、東京都中小企業振興公社が継続して支援を行いきめ細かやかなサポートをしています。

助成対象期間 交付決定日から6か月以上・最長2年以下
助成限度額 300万円(下限100万円)・助成率3分の2以内
助成対象経費

賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

⑧インキュベーション施設整備・運営費補助事業

インキュベーション施設整備・運営費補助事業」とは、東京都が実施している「インキュベーション施設運営計画認定事業」によって、施設運営計画の認定を受けた民間事業者が施設運営のレベルアップ等に取り組むときに、公社が審査した上で施設の整備・改修費・運営費など必要な経費の一部を補助する制度です。

補助を利用することにより、個室整備・インキュベーションマネージャーの雇用・セミナーや勉強会の開催など、入居者の創業を後押しする環境を整備することができます。

申請資格 「インキュベーション施設運営計画認定事業」に認定された事業のうち、優れた取り組みを行う事業者。ただし大企業(みなし大企業を含む)は除く。
補助対象期間 整備・改修費:交付決定から最長2年
運営費:整備改修費の補助対象期間終了日の翌日から1年以上最長2年ただし、上記の補助対象期間を通じて最長3年を上限とする。
補助対象経費 整備・改修費:工事費、工事監理費、建物・施設取得費、不動産賃借料、備品費、広告費
運営費:人件費、備品費、建物管理委託費、広告費、専門家報酬、備品等賃借料、会場借上料
補助限度額 整備・改修費:2,500万円
運営費:年毎2,000万円
(区市町村は整備・改修費2,000万円、運営費(年毎)1,500万円)
補助率 3分の2以内

新規事業の資金調達、ご相談ください

助成金は、いざ申請するとなると

・たくさん種類があって、どれを申請すればよいかわからない
・申請が複雑で、よくわからない

などの不明点や悩みがよく聞かれます。

助成金や補助金は、年間に約8,000件も公表されています。そのため、自力で申請しようとすると、どうしても「もらえるはずのお金をもらいそびれた」という事態が起こり得ます。

このような事態を避けたい方、不明点や困っていることがある方は、ぜひPMGまでお気軽にご相談ください。ご相談者様の状況に合わせて、助成金や補助金をリストアップし、申請から受給まで、まとめてサポートします。

PMGでは、以下のとおり、経営ノウハウと多種多様な専門知識をもつプロフェッショナルによるきめ細やかなサポートが可能です。

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まとめ

新規事業立ち上げ時の資金調達をスムーズにするには、助成金の活用が効果的です。

助成金であれば、新規事業開始した中小企業でも、一定の受給要件を満たせば支給対象となるため、うまく活用できます。また、返還不要であることも嬉しいポイントです。

助成金は補助金と違って通年募集しており、福利厚生の充実にも活用できるため、結果として人材確保や定着につなげることもできるでしょう。

ただし、助成金は、申請要件が複雑・申請に手間がかかる・受給まで時間がかかるといった注意点もあります。計画的な申請を心がけましょう。

新規事業の資金調達は、プロに相談することがおすすめです。

プロに依頼すれば、非常に多くの種類の助成金の中から最適なものをピックアップしてもらうことができ、さらに申請から受給までの手続を任せることもできます。