資金調達コンサルティングとは、企業経営において欠かすことのできない資金の調達に関するサポートです。
一般的なコンサルタントでは、経営課題を明確にした上で、課題解決に向けた戦略の立案・提案などが主なコンサルティング業務ですが、資金調達コンサルティングもそれほど大きな違いはありません。
そこで、資金調達コンサルティングとはどのようなことを行うのか、活用するメリットと選び方、資金調達コンサルティングの利用がおすすめの会社や利用時の注意点を解説していきます。
目次
資金調達コンサルティングとは
資金調達コンサルティングとは、資金を調達したい事業者に対するアドバイスやサポートを行うことですが、主に次のような支援が対象です。
- 資金調達支援
- 補助金・助成金のサポート
- 売掛債権流動化の支援
それぞれ説明していきます。
資金調達支援
資金調達コンサルティングが行う支援の1つ目は「資金調達支援」であり、主に次の4つのサポートです。
- 資金調達計画の立案
- 事業計画の作成支援
- 金融機関との面談前のアドバイス
- 金融機関との交渉のサポート
提携機関と共同で行うため、たとえば銀行融資実行までの期間を短縮したり調達率をアップさせたりという効果も期待できます。
さらに融資組み替えや返済猶予調整など、リスケジュールに関する交渉についても対応しており、資金繰りの不安などを解消しながら事業に集中できる環境を整備しています。
補助金・助成金のサポート
資金調達コンサルティングが行う支援の2つ目は「補助金」や「助成金」のサポートです。
国や自治体などの補助金や助成金は、申請すれば必ず支給されるわけではありません。
特に補助金は採択されなければ資金調達につながらず、提出する事業計画書作成などにも注意が必要です。
また、毎年数多くの補助金や助成金が公募されているのにもかかわらず、情報を確認できていなければ本来受け取ることができたお金を逃している可能性もあります。
そこで、申請可能な補助金や助成金をピックアップし、採択に強い申請代行機関と提携しながら、実際に受給できるまでトータル的なサポートを行います。
売掛債権流動化の支援
資金調達コンサルティングが行う支援の3つ目は「売掛債権流動化」の支援です。
売掛債権流動化とは、保有する売掛債権などを決済期日到来前に現金に換えて資金調達することですが、国も中小企業の資金調達方法が銀行融資に依存することのないように、売掛債権流動化による方法を推奨しています。
ファクタリングも売掛債権流動化の1つですが、売掛債権をファクタリング会社に売って換金する資金調達の方法です。
ただ、ファクタリングに関しては、売掛債権の譲渡契約を結ぶことを装い、融資契約を結ぼうとする悪質な業者も存在します。
そのため、安⼼して任せることのできる資金調達コンサルタントやファクタリング会社を選ぶことが大切です。
資金調達コンサルティング活用のメリット
資金調達コンサルティングを活用するメリットとして、次の6つが挙げられます。
- 最適な資金調達先を選べる
- 資金調達に成功しやすくなる
- 資金計画を立てやすくなる
- 資金ショートを防げる
- 収益拡大が期待できる
- 必要な専門家とつなげてもらえる
それぞれのメリットを解説していきます。
最適な資金調達先を選べる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの1つ目は、「最適」な資金調達先を選べることです。
手元のお金を増やす方法は、銀行から融資を受ける以外にも、たとえば株式発行により出資してもらう方法や、売掛債権流動化などいろいろあります。
ただ、どの方法が最適なのか判断がつきにくい場合もあり、間違った資金調達方法を選ぶと資金繰りが悪化してしまいます。
資金調達コンサルティングでは、何のためにどのくらいの金額がいつまでに必要なのか、そのために適した資金調達方法を提案してくれます。
金融機関や専門家ともネットワークを築くことができているため、条件に適した資金調達先を紹介してもらえるなど、スムーズな資金調達が可能です。
銀行融資にとらわれがちな資金調達先の選択肢の幅を広げ、目標金額を調達できる可能性がぐっと高まります。
さらに自力で資金調達先を探す必要もないため、無駄な労力やコストをかけなくてもよいこともメリットです。
資金調達に成功しやすくなる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの2つ目は、資金調達に「成功」しやすくなることです。
実績の高い資金調達コンサルタントであれば、どのような方法が最適なのか、過去の実績をもとに見極めた上で提案するため、必要なタイミングで目標額を調達できる可能性が高まります。
また、資金調達に失敗する例として、ビジネスモデルが欠けていることや、調達先の選び方やアプローチ方法が間違っていることなどが挙げられます。
資金調達コンサルティングでは確実に資金調達につながるようなサポートを総合的に行うため、成功率をアップさせることが可能です。
資金計画を立てやすくなる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの3つ目は、「資金計画」を立てやすくなることです。
決算書をもとにした状況把握により、収益性や健全性などについていろいろな⾓度から財務分析し、状況を分析します。
資金調達コンサルティングを活用することで、表⾯上の分析ではわからない深い部分まで分析が可能となり、銀⾏や新たな取引先に対する信⽤も獲得できます。
資金ショートを防げる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの4つ目は、「資金ショート」を防げることです。
経営者自身が会計数字に弱いときや財務判断に自信がないとき、経理担当者はいても戦略的な財務の組み立てが難しいといったこともあるでしょう。
特に中小企業では、限られた人材で事業を運営することになります。
財務専門の人員が在籍しているとも限らず、財務上の課題を見落としてしまうことや、誤った経営判断をしてしまうことに繋がる可能性もあるといえるでしょう。
しかし資金調達コンサルティングを活用することで、資金ショートを未然に防ぎ、会社に残るお金を最大化させることができます。
その結果、持続可能な安定経営の構築や中期的に見たときの最適な経営計画を立てることが可能です。
中小企業が抱える悩みを解決するために頼りたいコンサルタントとは?
収益拡大が期待できる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの5つ目は、「収益拡大」が期待できることです。
ビジネス拡大や課題解決など、会社経営における悩みはいろいろあります。
中小企業の場合、経営者が現場でも活躍していることが多く、多忙な状況です。
それに加え、資金調達に頭を悩ませることになれば、本業も資金調達もどちらも中途半場な状態となり、失敗してしまう可能性が高まります。
そのような場合に資金調達コンサルティングを活用すると、忙しい経営者に代わって協業候補先との面談調整や、販路拡大の手法や営業戦略の立案、案件獲得の仕組み化などいろいろな角度で売上・収益拡大の支援を受けることが可能です。
経営を改善させるためコンサルタントに相談するなら事前に考えておきたいこと
必要な専門家とつなげてもらえる
資金調達コンサルティングを活用するメリットの6つ目は、必要な「専門家」とつなげてもらえることです。
健全経営に向けて士業を頼りたいこともあるでしょうが、人と人とのつながりとなるため、相性や専門性の高さなど良し悪しに不安を感じることもあるでしょう。
優れた士業とのネットワークのある資金調達コンサルタントなら、目的に合った最適な専門家の紹介を受けることができます。
弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・社会保険労務士など、専門家も含めたサポートを求めるときにも資金調達コンサルティングへの相談がおすすめです。
資金調達コンサルティングの利用がおすすめの企業
資金調達コンサルティングは、「自社に適した資金調達方法のアドバイスを受けたい」「担保や個人保証に頼りたくない」といった会社に適しています。
資金調達コンサルティングは、資金調達のノウハウがあり、会社のニーズに沿ったサポートを基本としているためです。資金調達で陥りがちな失敗を回避しながら効率良く資金調達ができます。
「借入金や金利を見直したい」「金融機関の審査に不安を感じている」「融資の面談でアドバイスがほしい」など、具体的に融資を受けたい段階でも有効です。
融資で必要な資料作成にもノウハウがありますので、融資希望先のポイントを押さえつつ必要な書類を準備できます。契約範囲によっては書類の作成代行も依頼できますので、「資金調達で必要な書類作成の負担を減らしたい」と考えている会社にも向いているでしょう。
資金調達コンサルティングの利用で注意したいこと
資金調達コンサルティングは会社が提供するサービスであるため、利用にあたっては手数料などのコストが発生するのが一般的です。
料金体系はコンサルティング会社によって異なります。一律に料金が定められているようなケースもあれば、資金調達に成功したときに費用が発生する成果報酬型を導入しているケースもあるでしょう。
また、契約範囲以外のサービスを追加で利用する場合など、追加で料金が発生することもあります。
資金調達を目的としているにもかかわらずコスト負担が重くなってしまうこともありますので、資金調達コンサルティングを依頼する場合は事前に料金を確認しておきましょう。
さらに、コンサルティングの内容は会社によって特色があります。資金調達がうまくいくかどうかは会社選びも影響してきますので、サービスの内容が自社にマッチしているか、サービスの種類はどうか事前に確認しておくのが良いです。
会社の方針を尊重してくれる会社かどうかも合わせてチェックしておきましょう。
資金調達コンサルタントの選び方
資金調達コンサルティングは、経営コンサルタント会社だけでなく、ファクタリング会社などが行う場合もあります。
ファクタリング会社は、売掛債権を現金化するファクタリングがメインであるものの、資金調達方法に関する相談や提案など資金調達コンサルタントを兼ねていることもあり、ファクタリング以外の資金調達方法についての提案も可能です。
いずれにしても資金調達コンサルティングを希望する場合には、次の4つのポイントを押さえた上で資金調達コンサルタントを選ぶことが必要といえます。
- 専門性の高さ
- 過去の実績
- 相性と対応のきめ細かさ
- 報酬や料金形態が明確か
それぞれの選び方のポイントについて説明していきます。
専門性の高さ
資金調達コンサルタントの選び方で注目したい1つ目は、「専門性」の高さです。
専門分野や得意とする調達先など確認しておきましょう。
前職が銀行員のコンサルタントが多く所属していれば、金融機関からどのように資金調達すればよいか理解しているでしょうし、貸金業などが前職のコンサルタントなら、金利の高い調達方法の利用でどのような状況に陥るか理解しているはずです。
専門分野などは相談してみなければわからない部分であるため、無料相談などの段階で確認しておくとよいでしょう。
過去の実績
資金調達コンサルタントの選び方で注目したい2つ目は、過去の「実績」です。
実績の高い資金調達コンサルタントなら、資金調達する際のリスクや成功率を挙げる方法など、ノウハウが豊富です。
そのため質の高いアドバイスやサポートが期待できるといえます。
業者の実績は、公式ホームページに記載されている情報のほか、SNSなどあらゆる情報源から集めて、具体的な内容がつかめるようにしておきましょう。
実績が判然としないときは、メールや電話で直接問い合わせるのも方法のひとつです。直接問い合わせることで新たな情報を引き出せることもあります。
ただし、業者によっては実績が誇張されている可能性もありますので、実績にばかり注目せず、自社のニーズと実績がマッチしているかも確認しておくのがコツです。
相性と対応のきめ細かさ
資金調達コンサルタントの選び方で注目したい3つ目は、「相性」と対応のきめ細かさです。
専門性や実績などはもちろん確認しておきたいことといえますが、最終的には信頼できる相手なのか、長期的にビジネスパートーナーとして付き合っていきたいかなど確認しておきましょう。
人と人とのかかわりになれば、人間性の部分なども重要です。
会社の成長段階に合った資金調達方法を選ぶことも必要になるため、資金調達コンサルタントとの関係も長期に及ぶ可能性があると理解し、なんでも気軽に相談できる相手なのか確認しておきましょう。
報酬や料金形態が明瞭か
資金調達コンサルティングの報酬や料金形態は、固定報酬型か成功報酬型が一般的です。固定報酬型は期間に応じて報酬が発生する料金形態、成功報酬型は成果に応じて報酬が発生する料金形態になります。
成功報酬型には、資金調達が発生したときに報酬が発生する完全成功報酬型と、着手金を入金して資金調達に成功したときに追加で報酬が発生するタイプがありますので、事前に確認しておくと良いです。
なお、融資の成功報酬は出資法で定めがあります。補助金には規定がないものの、不当に成功報酬が高い業者は避けるのが無難です。利用するサービスを整理し、追加料金が発生しないかも確認しておきましょう。
また、料金が不明な場合は業者に確認をしておきます。トラブルの原因にもなるため、料金が明確にならない業者の利用は避けましょう。
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まとめ
資金調達コンサルティングを活用すれば、資金調達に成功する確率が高まります。
業績改善にもつながることが期待できるため、積極的に相談することをおすすめします。
当社でもファクタリング以外に、コンサルティング業務も行っており、企業の経営分析や経営診断なども可能です。
ファクタリング以外の資金調達方法も知りたいという場合など、気軽にご相談ください。