売掛債権の強制的回収方法|仮差押さえを徹底調査

売掛債権を持っていたとしても、売掛先がなかなか対応してくれない、ということはどうしてもおこるものなのです。もちろん売掛先にも事情があるでしょう。経営がうまくいっていないと、売掛金が支払えなくなります。

今回は売掛債権の強制的な回収方法の一つとして「仮差押さえ」についてお伝えします。回収に向けての第一段階の手続きとなるものでもあるので、回収が難しそうな売掛債権がある、という経営者は必見です。

 

仮差押さえの効力とは

・財産の隠匿を防ぐことが可能

早く仮差押さえの手続きを行わないと、財産が隠されてしまうかもしれません。時間がたってから裁判の手続きに入ったとしても、回収できる財産もない、といった自体になってしまいかねないのです。

仮差押さえの手続きをすることで銀行口座などの預金や不動産などの状況が把握できます。その結果、債務者側(売掛先)による財産処分に対して制約を加えることができるのです。勝手に処分されてしまうようなことを防げます。

 

仮差押さえの目的とは

・将来的に強制執行を行うため

仮差押さえに関しては、強制執行の準備と言っても過言ではありません。
売掛金が回収できなくなっているからこそ、仮差押さえの対応を行おうと思ったわけです。このままでは回収できない可能性も高く、少しでも債権者としては財産を抑えてそこから売掛金の代金を回収していかなければなりません。

売掛債権が完全に回収できないとなれば、強制執行が行われます。完全なる差押さえが実行され、相手方の財産の一部から回収できることになるのです。

売掛債権の全額とはなりませんが、1円も戻ってこないよりはマシ、ということになります。

 

仮差押さえ自体が相手方への圧力となる

・焦って支払うケースもある

仮差押さえの手続きですが、売掛先へダメージを与えることになります。そもそも売掛金が抑えられるということは、取引先への信用問題にもなるのです。

仮差押さえの手続きをされることで、急遽支払の手続きに入ってくる業者もあります。

何度督促をしても入金してもらえない場合は、仮差押さえの手続きも検討しましょう。

 

対応が遅れると時効になることも

・売掛債権には時効あり

売掛債権お中身にもよりますが、1年から5年程度の時効が設定されています。それが過ぎてしまえば回収がかなり難しくなってしまうのです。
時効を意識しつつ仮差押さえなどの対応を実施しましょう。