情報セキュリティの観点から見ても、金融業界のクラウド化は難しいとされていました。しかし近年では、金融業界でもクラウドを導入する動きが進んでいます。
その背景には、クラウドで金融業界の厳しい要求に耐えることができるセキュリティが整備されてきたことがあるといえます。
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金融業界がクラウド化を進めているその背景
そもそも銀行や証券、信託など金融機関の情報システムは金融庁の監督指針やFISC安全対策基準など複数の基準を満たすことが必要なため、簡単にクラウド化が進むとは考えにくいといえます。
そのような中でもクラウドの活用が進んでいるのは、2014年から経済産業省・総務省・金融情報システムセンター(FISC)がクラウド利用についてガイドラインを制定し、その前後に海外メガクラウドプロバイダーが日本リージョンを相次ぎ開設したことにあるといえます。
2017年には国内のメガバンクが新規システム導入にクラウドで対応することを発表し、翌2018年には40以上のシステムをクラウドに移行したことを発表しました。
このように金融機関のクラウド利用は拡大していますが、情報系システムの基盤に開発環境として利用されるだけでなく、基幹・勘定系システムの基盤としても利用されるようになっていることが特徴です。
クラウド化によりどのようなメリットがあるか
金融業界にもいろいろな業態がありますが、基幹系システムにクラウドを導入することを進めているのは、銀行などではなく生命保険・損害保険・証券会社・クレジット会社などです。
クラウドは、自社の中で情報システムを保有・運用するオンプレミスにはないメリットがありますが、最小構成でまず利用を始め利用開始までの日数も劇的に短縮させ、インフラの柔軟性も向上させることができます。
クラウド上に集約したビックデータについて、解析はAIに任せるといった使い方もできるでしょう。
このメリットを活かせば、マーケティングを効率的に高度化させ、審査の能力を高め、さらにチャットボットなどを使い顧客対応業務を効率化させることも可能です。
不正利用やシステム異常なども早期に検知できるなど、様々なメリットが生まれるでしょう。
システム運用にかかる負荷も軽減できることも特徴です。
ファクタリングも電子契約が進んでいる
ファクタリングも現在、インターネットを使った電子契約などが積極的に活用されるようになりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、相談に行きたいけれど外出はしたくない、できる限り人混みは避けたいという方でもパソコンを使い資金調達が可能となっています。
すでにネットは人々の生活に欠かすことのできない存在となっていますが、様々な場面で今後も活用が進んでいくことが予想されます。