中小企業のほとんどが、資金繰りを安定させたいという悩みを抱えているものです。
資金繰り安定に必要なことは、手持ちの現金・預金を多く保有するキャッシュポジションが重要といえます。
会社にとって資金は人の身体の血液と同じであり、キャッシュポジションが低下すれば貧血状態となり正常な判断もできず、資金繰りは不安定になってしまいます。
資金繰り安定のためには、キャッシュポジションを高い位置でキープする経営を心掛けていきましょう。
資金繰り安定に向けた融資を受けやすい体制づくりを
銀行から融資を受けて資金調達すれば、多額の資金を確保できます。
金融機関が融資を受けてよい企業だと判断する基準は、
- 簡易キャッシュフローの有無
- 実態債務超過の有無
- 債務償還年数
の3つと考えられます。
簡易キャッシュフローは「税引き後利益+減価償却費」のことで、いわゆる企業の返済能力をあらわしています。
実態債務超過は財務内容の指標となる部分であり、債務超過に陥っていないことが重要です。
債務償還年数は簡易キャッシュフロー全額を返済に充てたとき、借入金を何年で完済することが可能か示す指標であり、「有利子負債の額÷簡易キャッシュフロー」で算出できます。
10年以上は借入過多と判断されるため注意してください。
融資を受けたほうが資金繰りは安定しやすい?
銀行から融資の提案をされることもあるでしょうが、今は必要ないからと断ってしまう経営者もいます。
しかし銀行など金融機関は、業績が悪化し資金を必要とするタイミングで融資を申し込んでもお金を貸してくれません。
市場環境の激変や経営者の体調不良など、様々な事情で売上は激減することもありますが、このような状況でキャッシュポジションは一気に低下してしまいます。
先の見通しが不明になったとき、お金を貸してほしいと銀行に相談しても、相手も営利目的で運営しているため回収の見込みが不安な状況で積極的に応じることはないでしょう。
「晴れの日には傘を差しだし雨の日は取り上げる」という銀行を揶揄する言葉どおり、資金の借入れが可能なときに融資を受けておいたほうが資金繰りは安定します。
資金繰り表を作成で適切な管理も重要
商取引のすべてが現金による決済であれば、売上や仕入れと入金と支払いが同時に行われます。
しかし掛けにより売掛金や買掛金が発生する取引であれば、売上計上と入金のタイミングはズレますし、仕入れと支払いも同時ではありません。
売上分は2か月後に入金されるのに、仕入れ分は1か月後に支払わなければならない場合、売上が増えれば資金が不足しがちです。
そのため、いつ売掛金が入金されるのか、買掛金の支払いが必要なタイミングを把握しておくことが必要といえます。
いつどのタイミングで資金が不足するのか予想し、ショートしないための資金調達を行っていきましょう。