中小企業や個人事業主など、大企業よりも資力の弱い企業が資金を調達しようというときに用いる方法はいろいろあります。
ファクタリングはその方法の1つですが、必要な資金を確実に調達するためにもその動向を把握しておきましょう。
目次
受取手形による取引は縮小傾向
近年、東証一部上場企業などでもファクタリングは利用されていることから、受取手形による資金の回収は控えるようになっています。
ファクタリングを利用するには売掛金を保有していることが必要であるため、掛け取引での取引へと移行しているようで、受取手形が決済に用いられる傾向は縮小しているようです。
どのくらい手形決済は少なくなったのか
実際、2001年から2013年までの日本の受取手形の残高を確認してもその量は約半分まで縮小されており、流動化を可能とする売掛債権である売掛金を保有する形に変更されているといえるでしょう。
手形交換所の国内最大規模といえる大阪手形交換所の交換高も、2017年は185兆5千250億円でしたが、1年後の2018年には85兆8千775億円と減少しているのです。
この手形の需要が大幅に減少したことが、ファクタリング業界の成長要因となったといえるでしょう。
インターネットでの決済が進んだこともその理由
さらにインターネットバンクや法人向け電子決済サービスなども普及したため、手形ではなく掛け取引で後日決済する形に移行する企業も増えたといえるでしょう。
なお、ファクタリングは東京を中心として拡大傾向にあるサービスであることは変わりませんが、大阪や名古屋、福岡など西日本の主要都市といえるエリアでもその普及は広がっています。
ファクタリング市場は今後も拡大し続ける?
ファクタリング市場の規模はだんだんと成長傾向にありますが、ファクタリングを利用することで売掛先との信頼関係に支障をきたすことはないか不安を感じる経営者も少なくなく、慎重に利用するか決断しているようです。
全国対応可能とするファクタリング会社も増えてきていますが、実際のところ、競合が多くないエリアでの集客効果は限られているため、迅速で手厚い対応ができない業者や、経営ノウハウなどを持っていない業者は成約率が低迷しているともいえます。
ベンチャー企業などがファクタリング専門会社を新規で立ち上げるケースもありますが、すでに事業を閉鎖してしまっていたり、倒産に追い込まれたという例もあるようです。
その一方で本当に実力のあるファクタリング会社は、コツコツと実績を積み重ねながら多数の案件を獲得しています。まさにファクタリング業界での二極化が進んでいる状態であり、スムーズな資金調達にファクタリングを利用するためにも、今後の動向も見守る必要があるといえるでしょう。