債務超過の問題点とは？すぐに倒産するわけではなくても危険な状態

債務超過という状況はすぐに会社が倒産してしまうわけではないものの、様々な問題点がある状態となります。

そもそも債務超過とは、会社の負債総額が資産総額を上回っている状態なので、いずれは倒産に至ってしまうなど問題となる点が多い状態です。

そこで、なぜ債務超過になると倒産につながりやすくなるのか、その問題点についてご説明します。

債務超過の問題点は銀行融資を受けられなくなること

会社が債務超過になってしまうことの問題点として、まず銀行から融資を受けることができなくなることが挙げられます。

債務超過とは、会社のすべての資産を現金化するなど処分したとしても、抱える負債を返し切れない財務状態にあることを指しています。

そのような状態の会社に、銀行がこころよく資金を貸し付けることはありません。仮に資金を貸し付けたとしても、返済される見込みがないからです。

銀行だけでなく、取引先からも信用を失うこととなり、取引を停止されるリスクも高くなります。

株式会社の場合には有限責任なので、仮に会社が倒産しても株主である経営者は出資額を限度とした責任で済みます。

ただし中小企業の場合には、銀行から融資を受けるとき経営者の個人保証がついていることがほとんどなので、無限責任となり会社の資産をすべて売っても返済できなければ残りを経営者が負担することになります。

その結果、会社が倒産すると同時に経営者も自己破産するといったことも少なくありません。

日本取引所グループの上場廃止基準概要（一部・二部）を確認すると、

「債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき（原則として連結貸借対照表による）」

とあるため、上場企業の場合には債務超過が解消されなければ上場廃止となると考えられます。

その結果、株式市場での取引はできなくなり、既存の株主は一斉に株を売却することとなれば株価は暴落します。

市場で株主から資金を集めることはできなくなるので、倒産リスクは非常に高くなってしまうでしょう。

債務超過という状態になったとしても、すぐに倒産するわけではありませんが、利益を生みにくい悪循環ができてしまいます。

そのため早期に解消させていくことが必要ですが対策として、

といった方法があります。

ただし上記の解消方法はどれも極めてハードルが高く、簡単に債務超過から立て直すことはできないと留意しておくべきです。

債務超過に陥らないように、資金調達の方法を借入れに依存しすぎないことが大切といえます。