【2020.12月更新】ファクタリングの意味|よくわからない方のために優しく解説!

中小企業や個人事業主が資金を調達するとき、ファクタリングを利用することが増えていますが、中にはファクタリングとはどのような仕組みなのか知らない・意味がわからないという方もいることでしょう。

そこで、近年、注目されつつあるファクタリングとはどのような意味なのか、どのように資金を調達できるのか解説します。

 

ファクタリングという言葉の意味

即日資金が調達できる方法として注目されつつあるファクタリングですが、そもそもどうしてファクタリングと呼ばれているのか、その意味や仕組みをよく知らないという方もいることでしょう。

最近ではクラウドファクタリングというネット上で完結するようなタイプのサービスも登場していますが、一般のファクタリング会社でも電子契約などが可能となり、よりスムーズな資金調達が可能となっています。

しかしどのような手法か意味を理解できないままでは、いくらすぐに資金が調達できる便利な方法だといわれても、不安で利用できません。

まずファクタリングという名称の意味ですが、英語にすると「factoring」であり、本来の英語にあるファクター(factor)から派生した言葉です。

ファクターとは因子・要因・要素といった意味を持ち、さらに仲買人・代理商・問屋という意味も語源として含んでいます。

その仲買人であるファクターを現在進行形にしてファクタリングという名称となったと考えられるでしょう。

 

売掛債権の買い取りサービス!その内容と意味とは?

ファクタリングとは、中小企業などが保有する売掛債権をファクタリング専門業者に売却し、売掛先から入金されるよりも前に現金化させることで資金を調達する方法であることを意味します。

売掛金とは、商取引で商品・サービスを納品・提供したけれど、まだ代金は受け取っておらず、支払ってもらうように請求することができる権利のことで売掛債権の1つです。

このように一定期間の請求分を後日一括まとめて支払ってもらう取引を掛け取引といいますが、日本で会社同士が取引を行う場合、掛け取引が主流となっています。

ただ、商品やサービスを販売し、入金されるまでの期間が長期化してしまうと、その間に発生する仕入れや従業員の給料などの支払いに行き詰りがちになる傾向が見られます。

このような売掛債権の1つである売掛金が入金されるまで、間があいてしまうことによる問題を解決してくれるのがファクタリングです。入金される売掛金を前倒しで受取可能となることが大きなメリットであり、お金を借りて借金を増やさなくても資産を換金できることに意味があります。

 

実際のファクタリングの流れ

実際にファクタリングを利用した場合、ビジネスにおいてどのような流れでファクタリング専門業者が売掛金を買取るのか具体例を用いて説明します。

まずファクタリングは、

  1. 商品やサービスを納入する納入企業(自社)
  2. 商品やサービスを購入し、まだ代金を支払っていない売掛先
  3. 売掛金を買い取るファクタリング専門業者

の3者が主に関係することになります。

1.商品またはサービスを納入企業が納品・提供

たとえば納入企業(自社)が仕入れた商品を取引先に売却するとします。商品を購入する取引先に納品書と合わせて渡すと、取引先は商品を確認し、受領書や検収書などを発行して受け取ったことの証明として納入企業に渡します。

このときまだ代金は受け取りませんので、取引先に対する売掛金が発生することとなり、取引先=売掛先ということを意味します。

2.売掛先が受領したことが確認できた後に請求書の発行

商品を販売した納入企業は商品代金の請求書を売掛先に渡すこととなりますが、事前に支払いは月末締め翌々月末払いと取り決めていたため、商品販売から入金されるまでの期間は現金決済と比較すると2か月以上差ができてしまいます。

ここで問題となるのは、売掛先に対して販売した商品の仕入れ代金です。2か月後には入金があるとわかっていても、先に仕入れ代金の支払いが発生してしまえば資金不足に陥るリスクを抱えることを意味します。

この場合、他の売掛金などの入金で仕入れ代金の支払いをまかなうことができれば問題ありませんが、そうでない場合は何らかの方法で資金調達することが必要であることも意味しているのです。

3.利用して資金調達することに意味がある

資金調達の方法として考えられるのは銀行など金融機関からの融資でしょうが、審査が厳しくどのような中小企業でもお金を借りることができるとは限りません。

ここで登場するのが、売掛金を前倒しで回収することを意味するファクタリングです。

ファクタリングの仕組みを活用すれば、2か月またなければ訪れない決済日までの時間を短期化できるため、仕入れ代金の補てんが可能となることがメリットといえます。

ただしファクタリング業界は法整備が十分でないというデメリットがあり、ファクタリングの仕組みを悪用し違法取引を行おうとする悪徳業者などが横行しやすくなっていることを意味しています。

仮に売掛金ではなく手形を売却し現金化する手形割引なら、融資とみなされるため手形の買取を扱えるのは銀行や貸金業者など登録している業者だけです。

しかしファクタリング業界にはそのような登録制度が設けられていないため、法律で規制されず悪徳業者が参入しやすい環境を作ってしまっていることを意味します。

売掛金の買取価格や手数料はファクタリング専門業者が独自に決めることになるので、信頼できる業者か見極めることは非常に重要といえます。

そこで、売却した売掛金をいくらで買取ってもらえるのか、どのくらいの手数料が発生し結果的に買取金額はいくらになるのか見積もりを出してもらい決めるようにしてください。

ファクタリング専門業者の見積もり方法

ファクタリング専門業者は、納入企業から持ち込まれた売掛金について、

  • 売掛債権の種類や金額
  • 売掛金が入金されるまでの期間
  • 売掛先の信用力
  • 納入企業と売掛先とは継続して取引が行われているか

など、様々な項目を確認しながらファクタリング手数料を決めます。

4.ファクタリング専門業者との契約

ファクタリング専門業者が提案した見積もり金額で納得した場合、正式に売掛債権譲渡の契約をファクタリング専門業者と結ぶことになります。

契約後、早ければ即日手数料分を差し引いた買取金額を受け取ることができます。

5.売掛先からの支払い

最後に、本来の売掛金の支払期日売掛先から売掛代金が入金され、それをファクタリング専門業者が受け取るという形です。

 

まとめ

決算書が赤字になれば倒産してしまう!と思うかもしれませんが、たとえ黒字でも手元の資金が枯渇したときには倒産してしまいます。

最悪の場合、売上は伸び利益も出して黒字なのに、支払がおいつかず資金不足で倒産してしまうかもしれません。

そのような支払に充てる資金不足に陥る事態を防ぐため、簡単に活用できるメリットの高い資金調達方法がファクタリングです。

資金調達の方法はいろいろあり、一覧などで紹介しているサイトもあるので迷ってしまうところもあるでしょう。しかしファクタリングは銀行融資など他の方法と比較しても審査は柔軟であり、すぐに現金を手に入れたいというニーズに対応できる方法といえます。

ただしファクタリング業者の中には違法な取引を行おうとする悪徳業者も紛れていますので、ランキングなどで上位に位置する信頼できる業者に相談することが大切と理解しておいてください。