資金繰りが圧迫されるのは年度末ではなく年末?


ニ八(にっパチ)という言葉を耳にしたことはあると思いますが、全体で景気が悪いのは2月と8月で、年末年始はたくさんモノが売れる時期です。それにも関わらず、倒産してしまう企業があとを立たないのは年度末ではなく年末です。

なぜモノが売れる年末に倒産しやすい?
そもそも余裕資金が多くない中小企業の場合、状況次第では手形の割り引きや経営者個人が会社に対して貸し付けを行うなど、様々な資金の調達方法が実施されています。年末になるとクリスマス需要や年末年始商戦などが行われますので、一時的に取引の量は増えていくことになります。
取引量が増えることは良いことだと思うかもしれませんが、これによって支払金額が増大し、資金がショートする要因になる可能性が出てくると考えられるでしょう。
それに加えボーナスや法人税、消費税の予定納税などがあることで、色々な出費が増える時期です。これらの要因が重なることによって、会社の資金繰りに悪影響を与えてしまうと言えます。

企業が倒産するのは赤字だからではない?
企業が倒産するのは商品が売れないから、利益が出ずに赤字にだからなど、これらが原因ではなく、多くは手元の資金が不足するからです。
成長中で業績が良い企業で、黒字なのに倒産してしまう企業もあります。企業が成長していくのに連れて、取引量や取引金額が増えていくので売上金額が増えると同時に仕入金額も増えます。
売掛金回収の遅れや資金繰りの計画の甘さなどが引き金となり、黒字なのに倒産してしまうこともあることを理解しておきましょう。

円滑な資金繰りのために行うことは?
資金繰りを円滑にするためにどのような対策を講じていけば良いかを考える必要があります。
まずは自社の資金の流れを把握することが必要ですので、3~6か月、できれば毎月の資金繰り表を作成して経営者自身が確認していくことが大切です。
資金繰り表を作成する段階において、支払いが遅れそうな費用や取引金額が減る可能性のある取引先などはないかなど、リスク要因についても確認していきましょう。

取引先と一緒に倒産してしまう連鎖倒産の可能性も?
自社がどんなに注意していても、1つの取引先との付き合いが高くなるとその企業が倒産した時に連鎖倒産の危機に陥る可能性もあります。
このような場合、連鎖倒産から中小企業を守る「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」などの制度の利用も検討しましょう。

・セーフティネット貸付制度(中小企業庁)
一時的な資金繰りの支障など、中長期的に見れば回復が見込まれる中小企業の場合には融資制度を利用することもできます。
利益が増加している場合でも、経常損失が生じているなど特定の要件を満たしていれば制度利用の対象となりますのでこのような制度があることも知っておくと良いでしょう。