経営改善を経営者自らするのはおすすめしない?難しい理由3つ

経営改善を経営者自らするのはおすすめしない?難しい理由3つ

経営状況が目に見えて悪化しており、経営改善を図りたいと考える経営者もいるのではないでしょうか。しかし、自己流だと経営改善ではなく、かえって悪化させてしまう場合もあります。

なぜ中小企業の経営者は自ら経営改善を図ることが難しいのでしょうか。今回は経営者自身が経営改善を図るのをおすすめしない理由を、経営改善の困難さを踏まえて紹介します。

経営改善とは

経営改善は、企業の業績を向上させるための活動です。利益に注目したアプローチで、売上を向上させるだけでなく、コスト削減や商品開発などにより利益を生み出す力を向上させます。

資金繰りにばかり目を向けずに、企業の利益構造を改善していくことが経営改善です。

中小企業では、企業が主体的に経営改善に取り組むのではなく、融資を受ける金融機関から指摘されて取り組むケースもあります。金融機関も注目する部分で、経営改善は外部からの評価を向上させるのにも必要です。

経営者を中心に、会社の置かれた環境、業界、特性などを客観視して、改善に取り組んでいきます。

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経営改善に経営本は役立つか?

経営改善は、経営本に書かれたことを実践すれば良いと考える経営者もいるでしょう。経営本は、経営に関して書かれた本のことです。中小企業の経営や経営改善のヒントを得られることもあります。

しかし、会社によって規模も異なれば、置かれている環境なども異なります。経営本どおりに進めてもうまくいかないこともあります。

経営本はあくまで参考程度に留めておくのが良いです。重要なのは、経営本を読みこむことよりも、経営者の方針や変わろうとする意識です。

経営者自身での経営改善が難しい3つの理由

経営者自身でも経営改善はできます。経営スキルが高い経営者であれば、状況が変化しても改善できる可能性はあるでしょう。しかし、経営者の能力次第になります。

経営スキルに長けていない経営者が自力で経営改善を図っていくのは難しいです。経営改善が難しい理由を3つ取り上げます。

  1. 適切な改善目標の設定が難しい
  2. 問題の洗い出しが適切でない
  3. 他の業務で手一杯になっている

適切な改善目標の設定が難しい

経営改善が困難なのは、適切な改善目標の設定が難しいためです。まず、経営改善を図るには、どのように改善していくべきか目標を立てる必要があります。設定する目標は適切でなければなりません。

適切な目標とは、達成すべきことが明確な目標、適切な難易度で設定された目標、現場を巻き込んだ目標です。

まず、明確な目標とは数値などを使った具体的な目標をいいます。「利益率を上げる」よりも、「利益率を○%向上させる」の方が目標達成の道のりはイメージしやすいでしょう。

適切な難易度の目標とは、現実的に達成できて簡単すぎない目標です。達成の可能性が低すぎると目標を設定する意味が失われてしまいます。

また、目標設定では現場を巻き込むことも重要です。経営者視点が行き過ぎてしまうと現場とかい離した目標になり改善が難しくなります。

 問題の洗い出しが適切でない

経営改善で設定した目標を達成するためには、問題の洗い出しが必要です。経営がうまくいかない原因を把握できないと適切な改善策が打ち出せません。的外れの対策となることもあります。

また、原因を把握できていても、アプローチが適切でないと改善は難しいです。

たとえば、売上が落ちている原因が需要の低下でも商品を売り続けてしまうようなケースです。需要が落ちているため、販売価格を変えても売れない可能性があります。

問題の洗い出しや適切なアプローチは状況でも異なるため、経営者自身で改善を図るにはスキルや経験が必要です。

他の業務で手一杯になっている

小規模企業は経営以外の業務で忙しくなりやすいです。経営者が経営以外の業務に従事することもあります。経営以外の業務で手一杯になっている状態では、改善したくても時間的に難しく、経営改善が後回しになりがちです。

各都道府県の経営改善センターとは

財務上、問題を抱えている中小企業の場合、銀行など金融機関から金融支援を受けたいと考えることもあるでしょう。

金融支援にもいろいろあり、たとえば新規で融資を受けることの他、現在の借入金のリスケジュールなども含まれます。

ただ、金融支援を受けるためには金融機関に経営改善計画などを策定・作成し、提出しなければなりません。

しかし中小企業の場合、自力で経営改善計画を作成することは容易ではなく、税理士などの専門家に支援してもらうことも少なくないといえます。

税理士など専門家に支援してもらう場合には報酬が発生しますが、すでに財務上問題を抱え資金繰りが厳しい状況にある中では、その費用は大きな負担となることでしょう。

このような中小企業を支援するために、中小企業庁が全国47都道府県に設置したのが「経営改善支援センター」です。

具体的な支援内容とは

所定の要件を満たすことで、中小企業が外部の専門家に支払う経営改善計画策定などにかかる費用について、総額の3分の2(最大200万円まで)が支援センターを通じて支払われます。

支援センターを利用申請する場合には、国の規定で認定支援機関及び主要金融機関の実施協力を得ていることが求められます。

経営改善計画を策定し、金融機関調整を行ったものの金融支援を受けることができなかったときには、支援センターからの補助は受けることができない点も注意しておいてください。

まとめ

経営改善を経営者自身でできるかは、経営者のスキルや経験などにもよります。難しい場合は、各都道府県に設置される経営改善支援センターなどを活用するのも良いです。

PMGでは、資金調達の他、企業の財務支援も行っています。経営や資金繰りにお困りの際はPMGへご相談ください。