コロナ禍で活用したいファクタリングとは?中小企業にぴったりの理由を解説

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、資金繰りが厳しい状況に陥った企業こそ、ファクタリングをうまく活用しましょう。

しかしファクタリングと偽り契約を結ぼうとする新手のヤミ金が横行しており、法外な金利で金銭を貸し付けようとするため、コロナ禍で困窮する中さらに多重債務に追い込まれる恐れもあります。

そこで、コロナ禍で活用したいファクタリングとはどのような資金調達方法なのか、中小企業にぴったりの理由と、悪質なヤミ金融業者に騙されないためにその手口について説明していきます。

新型コロナの影響で7割の法人が打撃

財務省の報告によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業は約7割とされています。

時短営業に外出自粛による巣ごもりの影響により、小売業は売上が増えた一方で、他の業種は厳しい状況に陥ったといえるでしょう。

多くの企業に新型コロナウイルス感染拡大の影響が及んだことで、国もコロナ融資など対応できる貸し付け制度を用意しました。

資金繰り支援も強化し、銀行から融資を受けやすい環境を整備したともいえます。

しかしそれにより、将来的に不良債権となる貸し付けも抱えることになった金融機関もあるため、今後は審査が厳しくなることも予想されています。

銀行融資だけを資金調達方法として頼るのではなく、他の資金調達方法も準備するなど多様化が求められているといえるでしょう。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、企業などが保有する売掛債権を売却し、現金を調達するサービスです。

コロナ禍で資金繰りが悪化し、仕入れ代金などの支払いができないことに悩む企業も少なくありませんが、売掛債権を現金化することで資金を調達できます。

商品やサービスを販売し、すぐにその代金を受け取ることができれば資金繰りは悪化しないでしょう。

しかし商取引では掛けによる取引が一般的であるため、納品後、実際に代金が入金されるのは数か月後です。

その間に売掛債権を保有することになりますが、まだ回収していない売掛金を現金化することで、期日を前倒しできる方法として活用できます。

【ファクタリングのメリット】

  • 入金期日よりも前に売掛金を現金化できる
  • 借入れではないため担保・保証人は不要
  • 売掛先の信用力が審査の対象のため業績関係なく利用できる
  • 売掛債権が未回収となるリスクを移転できる
  • キャッシュフローを改善につながる

【ファクタリングのデメリット】

  • 手数料負担が重い
  • 長期利用で資金繰りが悪化する
  • 悪徳業者に騙されるリスクがある

コロナ禍はファクタリングが適している理由

新型コロナウイルス感染症が収束しない状況の中、業績回復が遅れてしまう業界では銀行融資の審査が厳しくなる恐れがあります。

コロナ禍だからこそ、資金調達の方法としてファクタリングを選ぶべきともいえますが、その理由として主に次の つが挙げられます。

  1. 銀行融資では時間がかかる
  2. ノンバンクは総量規制が適応される
  3. 借金せずに資金調達できる

それぞれ説明していきます。

銀行融資では時間がかかる

コロナ禍の中、事業者が事業継続に必要な運転資金を確保するとき、まずは供給手段として政府系金融機関や民間銀行からの融資を受けることを考えるでしょう。

しかし金融機関では融資可否の結果を下すまで、審査に時間を要することがほとんどであり、コロナ禍で今日・明日中に資金調達しなければならない状況には対応できません。

さらに信用力の問題などで中小企業やスタートアップ企業、個人事業主の供給手段になりにくいこともあり、別の資金調達方法を検討しなければならない状況といえます。

ノンバンクは総量規制が適応される

銀行など金融機関からの借入れが難しいのなら、ノンバンクなど貸金業者ならコロナ禍でもスムーズにお金を貸してくれるだろうと考えるものでしょう。

しかし日本貸金業協会が公表している情報によれば、貸金業者数は総量規制が導入され出資法上限金利が引き下げられたこと、さらに過払い利息の返還請求が急増したことで2007年3月から2019年3月までの12年間で7分の1に減少しているようです。

現在残っている貸金業者でも、事業性融資を実施している業者は限定されており、スムーズに運転資金を準備する手法として活用できるか…といえばそうではないと考えられます。コンシェルジュのように資金調達の相談に応じてもらえるわけではないと留意しておくべきでしょう。

借金せずに資金調達できる

お金を借りて資金調達することが難しい中、中小企業などの事業者の間で注目されているのがファクタリングです。

企業などが保有する売掛債権のうち、売掛金をファクタリング会社に売却し、売掛先企業からの支払期日よりも前に現金化させて資金調達するという仕組みになっています。

金融機関や貸金業者から融資を受けたくても難しい場合や、コロナ禍で資金需要が高まり迅速性に不安がある場合でも、ファクタリングならファクタリング会社によって即日現金化も可能です。

融資よりも審査にかかる時間が短い上に、重視されるのも売掛先企業の信用力のため、税金滞納や赤字決算で信用力に不安がある企業でも相談しやすいことがメリットといえます。

数年前からは金融サービスと情報技術を組み合わせた事業を行うフィンテック企業や、IT企業なども参入しはじめたことも、近年注目を集めている理由といえます。

コロナ禍でのファクタリング会社の選び方

ファクタリングは売掛金が入金されるまでのスケジュールが長期化しやすい中小企業などにとって、有効な資金調達の手段として活用されつつあります。

しかし契約を結ぶファクタリング会社選びを間違えてしまうと、資金を供給できないどころか、反対に余計な費用が発生し事業を続けることができなくなってしまう可能性が出てきます。

悪質な業者による偽装ファクタリングが横行しており、通常の2社間ファクタリングとは異なり、事業者に資金回収の責任を負わせる取引に注意が必要です。

そこで、ファクタリング会社を選ぶときには、次の2つのファクタリングを利用しないように注意してください。

  1. 支払い不能リスクを負う偽装ファクタリング
  2. 給与ファクタリングは事業者向けとは別物

それぞれ説明していきます。

支払い不能リスクを負う偽装ファクタリング

本来の売掛金売買契約によるファクタリングは、売掛先企業の支払い不能リスクはファクタリング会社が負います。

もし期日までに新型コロナの影響で売掛先企業が倒産してしまい、売掛金の回収ができなくなってもファクタリングの利用者はその責任を負う必要はありません。

しかし偽装ファクタリングでは、売掛先の支払い不能リスクは利用者が負うこととなる、償還請求権ありの契約です。そのため実質的には売掛債権担保融資とみなされることから、貸金業登録していない業者では扱うことができないとされています。

しかし貸金業ではないヤミ金業者が償還請求権ありの契約を結び、高額な手数料を設定し、威迫的な取り立てを行うというケースもみられます。

給与ファクタリングは事業者向けとは別物

サラリーマンなどが受け取る予定の給料を対象とした給与ファクタリングも問題視されています。

正規のファクタリングは事業者を対象としていますが、給与ファクタリングは一般の会社員などが対象となり、実質的には将来受け取る給料を担保に業者から給料日よりも前にお金を借りる仕組みです。

給料を先払いという願いをかなえてくれる優しい業者なら、すぐにコンタクトを取りたいと感じることでしょう。

しかし実際には、年利換算で数百%~千%という手数料を取る悪質極まりない業者も横行しているケースもあります。複数の業者と契約を結んでしまい、コストが膨らみ多重債務に陥る利用者も少なくない状況です。

そもそも給与ファクタリングは融資とみなされるため、こちらも貸金業登録してしなければ契約は結べません。しかし悪質な業者は貸金業者ではないヤミ金業者であり、新型コロナによる雇用環境悪化の影響で被害が拡大しています。

金融庁も注意喚起中

新型コロナの影響で給与収入が減少してしまいった給与ファクタリング利用者が、違法な高金利の貸し付けだと返金を求める集団訴訟も起こしており、金融庁も注意喚起しています。給与ファクタリングの大手だった七福神も廃業し、現在は公式サイトも閉鎖されている状況です。

表向きは金銭の貸し借りという形ではないため、融資とはみなされないと主張する業者もいるようでが、勤務先の会社が第三者に給与を支払うことは認められていません。

そのため、譲渡した給与債権分の給料を利用者が一旦受け取り、その後業者に渡す契約であるため実質的には利息を伴う借り入れと同様です。

実際、金融庁は2020年3月、給与ファクタリングは貸金業法2条1項「手形の割引・売渡担保その他これらに類する方法」であり金銭の貸付に該当すると判断しています。

給与ファクタリングは売掛債権を給与に置き換えた仕組みですが、請求先は利用者本人でファクタリングと根本的な違いがありますので、違法なヤミ金業者には注意してください。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響はまだ収束しているといえない状況であり、銀行から融資を受けにくい中小企業などに注目されているのがファクタリングです。

ファクタリングなら、銀行融資の審査に通らなかった場合でも、信用力の高い売掛金を保有していれば資金を調達できる可能性が高くなります。

しかしコロナ禍で資金難に陥った企業の弱みに付け込み、表向きはファクタリングを装って金銭を貸し付けようとする悪質な業者も存在します。

コロナ禍でファクタリングを利用するときにはファクタリング会社選びを慎重に行うようにしてください。

なお、会社の倒産リスク回避に協力してきた金融機関は債権の未回収リスクを抱えることとなり、今後は銀行融資の審査が厳しくなる恐れがあります。

このような場合でも、ファクタリングなら資金調達に活用できるため、手元の資金を枯渇させない方法として上手に利用するようにしてください。