キャッシュフロー改善の考えかた

企業が成長し発展していくためには一定水準以上の利益を計上しながら再投資を行うことが必要です。
確かに利益は企業が成長するために必要ですが、資金がなければ成長どころか存続も危うくなります。
そのため成長のみに着目せず、存続して生き抜くための資金をしっかりと確保していくようにしましょう。

儲けとお金は一致するとは限らない
儲かった分をそのまま現金として手に入れたいなら、全て現金取引を行う必要があります。しかし実際には売掛金や買掛金など掛けによる信用取引が当たり前で、売上に対する入金は後日という形でしょう。
利益は資金を増加させるための重要な要素ですが、儲けとお金はその場で一致するとは限らないということを理解しておく必要があります。

キャッシュフローを改善するために必要なこと
会社の収益力や財務体質を強固にするためにはキャッシュフローを改善させる必要があります。
キャッシュフローの改善させるための最善策は、やはり利益を出して計上することだと言えるでしょう。
利益を出すためには、売上を増やす、原価を下げ粗利益を増やす、販売管理費など活動原価を下げることが必要です。

利益計上のために必要なこと
さらに利益を計上するために、次のようなことを実践しましょう。
売上は維持しながら売掛金や受取手形などの売掛債権を減らすことが必要です。また、同時に商品、製品、仕掛品、貯蔵品、半製品、材料などの在庫(棚卸資産)を減らすことも必要になるでしょう。
そして買掛金を増やせばキャッシュフローは改善されますが、買掛金の支払いを後へ延ばすと信用問題に不安が生じます。
そのため売上債権や在庫の圧縮を実践しながら資金繰りを改善し、資金状況を考慮しながら仕入先に対する支払いを早めた上で有利な条件で仕入れができるように交渉すると良いでしょう。

遊休固定資産は思い切って処分が必要?
事業用に取得したけれど、使用や稼働が停止状態である過剰な遊休固定資産はキャッシュフローを圧迫します。
稼働率が低下し使用していない製造用機械や閉鎖した店舗跡地などがそのままになっていないでしょうか。
取得した固定資産が利益を生まない状態で放置されていれば、固定資産を購入の借入金負担だけが生じることになるでしょう。
思い切って早期に遊休固定資産を売却し、長期借入金の返済に充てて金利負担を軽減させる判断も時には必要です。

自己資本を増やせばキャッシュフローは改善する
自己資本が増加すればキャッシュフローは改善します。自己資本を増やすために原則として利益を出すことが必要ですが、他にも増資や配当の抑制、役員賞与を出さないということで利益が社外流出することを抑えることができるでしょう。