キャッシュフロー計算書と資金繰り表の違いとは?

資金の収支予想を立て、資金残高の不足が見込まれる場合には前もって対策を立てやりくりすることを資金繰りと言います。ただし中小企業は経営資源が限られているため、資金に余裕を持って保持できないことも多いでしょう。事業を運営していく上で、この資金繰りがスムーズであることが必要ですが、資金繰りは資金そのものを管理すれば良いだけではありません。資金の出入り管理として資金繰り表を作成して管理することが多いようですが、資金繰り表だけでなく、キャッシュフロー計算書を使う方法も検討してみましょう。

キャッシュフロー計算書を取り入れた管理とは?

 財務諸表の1つであるキャッシュフロー計算書は上場企業の場合には作成することが義務付けられています。しかし中小企業の場合には作成されていることが多くありません。損益計算書での利益と実際の現金の動きは一致しないことで、キャッシュフロー計算書で現金や預金の動きを把握することは重要になります。

キャッシュフロー計算書と資金繰り表の違い

キャッシュフロー計算書は会計期間での現預金の動き、すなわち実際の事業の結果をあらわします。資金繰り表の場合には、足元の資金の実績や動きを把握し、近い先の資金の動きから資金ショートしてしまわないかを確認するためのものです。資金繰り表は主に将来の予測ですが、キャッシュフロー計算書は過去の情報です。似たように思えて本質的には大きな違いがあります。資金繰り表の形式は自由ですのでキャッシュフロー計算書の形式に似せることで表の意味を理解しやすくなるでしょう。

キャッシュフロー計算書を作成するなら

キャッシュフロー計算書を作成する場合、直説法と間接法の2種類から選択できますがどちらも構造自体はほぼ同じです。キャッシュフロー計算書の構造では、資金を営業活動、投資活動、財務活動の3つの活動に区分します。会社の本業で得られた資金が営業活動の資金、事業で得られた資金を固定資産取得などで使用する投資活動の資金、財務活動の資金は金融機関から融資を受ければプラス、返済すればマイナスになっていきます。営業活動でのキャッシュフローを増やしていくことが資金繰りから見た基本パターンとなり、投資を抑えて返済に回すようにすることが借り入れからみた基本パターンになるでしょう。

資金繰りをスムーズに行うために

資金繰り表の形式は基本自由になっていますが、キャッシュフロー計算書と同じく営業、投資、財務の3つの区分に分けて資金の出入りを管理していきましょう。基本構造を同じにすれば合計値が一致するはずですので、管理もしやすくなるでしょう。