ファクタリングの乗り換えはできる?比較ポイントや注意点を解説

月末になって、今利用しているファクタリングの乗り換えを検討している経営者もいることでしょう。

ファクタリングの乗り換えとは、契約しているファクタリング会社を変更することですが、支払い負担が重くなる月末までに検討したいと考えるケースはめずらしいことではありません。

発生する手数料などでファクタリングにかかるコスト負担は変わってくるため、できるだけ余計な費用をかけないためにも乗り換えは有効といえるでしょう。

目次

ファクタリングは支払いサイトを短縮するための方法の1つ

ファクタリングは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却することで期日前に現金化できるため、売掛金回収までの期間を短縮できます。

売掛金はすでに計上された売上のうち、まだ現金化されていない代金です。

売上としてすでに計上されている額には、仕入れや人件費もかかっていますが、これらの支払いは売掛金を回収よりも先に発生します。

いくら売上を伸ばしても、仕入れや固定費に充てる手元の資金がなければ、利益を出しながら支払いできない状態となり、最悪の場合には黒字倒産してしまいます。

会社を黒字倒産させないためにも、利益にばかりとらわれず手元の資金を確保することが必要であり、そのための方法として活用されているのがファクタリングです。

手元の資金を増やすために銀行など金融機関から借入れすると負債が増えてしまいますが、ファクタリングは売掛金の売却による資金調達の方法のため、負債を増やさずに手元のお金を増やすことができます。

ファクタリングの乗り換えでキャッシュフローが改善される理由

もともとファクタリングは、負債を増やすことなく資金を調達できる方法のため、キャッシュフローを改善させる有効な手段といえます。

そのメリットを生かすため、すでにファクタリングで資金調達している経営者も少なくありませんが、中には一度契約したファクタリング会社と付き合いが長く、乗り換えせずに取引を続けていることもあるでしょう。

ただ、ファクタリングで発生する手数料は銀行融資で負担する利息よりも重く、手数料が高いファクタリング会社を選ぶと、せっかく改善されたはずのキャッシュフローが再び悪化しがちです。

ファクタリングの乗り換えは、今契約しているファクタリング会社から新しいファクタリング会社に契約を切り替えることを意味します。

銀行から融資を受けている場合でも、金利が低い金融機関に借り換えることがありますが、ファクタリングの乗り換えでも今よりもよい条件で契約できるファクタリングに乗り換えることにより、手数料を引き下げることが可能です。

買取金額により変わるものの、たとえば100万円から300万円程度の売掛金をファクタリングするなら、3%以上手数料を抑えられるファクタリング会社への乗り換えが可能となることが多いといえます。

ファクタリングの乗り換えにより、発生するコストはカットすることができます。

たとえば、手数料15%のファクタリング会社と5か月に渡り契約する場合において、1か月目は500万円、2か月目以降は100万円ずつ下げた金額の売掛金を売却するとしましょう。

この場合、発生する手数料は以下のとおりとなります。

買取金額 手数料
1か月目 500万円 75万円
2か月目 400万円 60万円
3か月目 300万円 45万円
4か月目 200万円 30万円
5か月目 100万円 15万円

5か月間の手数料の合計は225万円となり、大きな負担です。

しかし契約2か月目から手数料10%で契約できるファクタリング会社に乗り換えた場合、次のように手数料は変わってきます。

買取金額 手数料
1か月目 500万円 50万円
2か月目 400万円 40万円
3か月目 300万円 30万円
4か月目 200万円 20万円
5か月目 100万円 10万円

10%の場合、5か月間で支払う手数料は150万円となり、75万円もコストをカットできます。

仮に利益率10%の事業であれば、利益30万円を生み出すには300万円売上を必要とするため、きるだけ手数料の率が低いファクタリング会社を利用したほうがよいといえます。

他社利用中でもファクタリングの乗り換えは可能

ファクタリングの乗り換えを検討するとき、「他社利用中なのに別のファクタリング会社と契約しなおしても大丈夫なのだろうか?」と不安を感じる経営者もいるようです。

しかしファクタリングの契約には、乗り換え禁止といった他社との契約を制限する決まりは設けることができません

そのためすでに契約しているファクタリング会社がいても、自由に新しいファクタリング会社と契約しなおすことが可能です。

そして他のファクタリング会社へ乗り換えしたからといって、今までのファクタリング会社を利用できなくなるわけでもありません。

仮に乗り換えしたファクタリング会社と合わないと感じるときには、元のファクタリング会社を利用することもできます

ファクタリング会社が乗り換え顧客と契約したい理由

ファクタリングを利用する経営者にとって、乗り換えをすることでキャッシュフローを改善できることは大きなメリットですが、実はファクタリング会社側にとっても乗り換え顧客は歓迎したい相手でもあります。

ファクタリング会社は、乗り換え先に選んでもらうために手数料を安く設定することになりますが、その分利益を削られてしまうためです。

そのためファクタリング会社にとってデメリットとなる契約に感じてしまいがちですが、すでに他社で利用実績がある顧客は約束通り回収した売掛金を入金してくれる優良顧客です。

契約違反や虚偽契約などで、取引先から回収した売掛金を流用してしまわれれば、ファクタリング会社にとって大きな痛手となるためです。

しかし他社で複数か月に渡りファクタリングを利用した実績のある顧客は、今後も取り決めを守ってくれる可能性が高く、安全で優良な顧客と判断できます。

そもそもファクタリングを利用するケースの多くは、資金繰りに窮しているといえるため、取引先から回収した売掛金を使い込んでしまうリスクもあると考えられます。

ファクタリング会社が最も恐れる部分といえますが、すでに他社で利用実績を積んでいる顧客なら、手数料を引き下げたとしても安心して取引できる相手であり、回収見込みの高い優良顧客であるため契約したいと考えます。

銀行融資の借り換えなどはメインバンクとの付き合いなどが背景にあり、合理性などで簡単に契約を変更できないケースもありますが、ファクタリングに関してはそのような縛りがないため自由に乗り換え可能です。

他社利用中でも乗り換えしやすいケース

すでに他のファクタリング会社を利用中でも債権を買い取りしてもらいやすいのは、債権譲渡登記を過去に行ったことがある会社や債権譲渡の契約書をファクタリング会社と締結している会社です。

乗り換え先のファクタリング会社からすると、債権譲渡登記や債権譲渡の契約書の存在は二重譲渡のリスク回避になります。そのため、債権譲渡登記などがない会社よりは乗り換えしやすいです。

債権譲渡登記とは

債権譲渡登記は法人のみが利用できる登記であり、事業用資金を借り入れるときなどで返済不能となったときの担保として、売掛債権などを保有している権利を明確にするものです。

ファクタリングで債権譲渡登記が行われるケースは、取引先を契約に含めない2社間ファクタリングです。登記によるメリットはファクタリング会社にしかありません。

本来、第三者に対して債権譲渡を主張するときには、売掛先への通知または承諾を得ることが必要となります。

しかし2社間ファクタリングでは売掛先を含めず契約を結ぶため、その代わりに債権譲渡登記を利用することで第三者への立証を可能とするように手続を求めるファクタリング会社も存在します。

ファクタリングを乗り換えるときの5つのポイント

ファクタリングを資金調達するときには、まず数多く存在するファクタリング会社から、どの会社と契約するか選ばなければなりません。

最初に選んだファクタリング会社から乗り換えもできますが、利用済の債権の取り扱いや新しく契約するファクタリング会社選びには注意がです。

契約中のファクタリング会社から新しいファクタリング会社に乗り換えるときに、契約終了の手続などは必要ありません。とはいえ、乗り換えのときには次の5つのポイントを重視したファクタリング会社選びを検討しましょう。

  1. 買取手数料
  2. 債権買取下限・上限の範囲
  3. 売却したい債権の種類
  4. 現金化までの日数
  5. ファクタリング会社の対応

それぞれのポイントについて説明していきます。

買取手数料

一般的なファクタリングの買取手数料相場は、

・2社間ファクタリング 10~20%
・3社間ファクタリング 1~10%

となっています。

ただしファクタリング会社によって大きく差があるため、できるだけ手数料の低い業者を選ぶようにしましょう。

債権買取下限・上限の範囲

ファクタリング会社により、債権買取の下限額や上限額は異なります。

そのため売掛債権の額面が10万円から買取可能とするファクタリング会社もあれば、最低でも300万円の債権でなければ買取しないというファクタリング会社もあるため、保有する売掛金を利用できる業者か確認が必要です。

少額の債権でも買取可能とするファクタリング会社のほうが、中小企業などに親身に寄り添って対応してくれることが多いといえます。

売却したい債権の種類

債権にもいろいろな種類があり、医療債権や建設業債権などに分けることができます。

ファクタリング会社によって、債権の種類ごとに買取額が異なるケースも多いため、より有利な契約ができる業者を選ぶようにするとよいでしょう。

現金化までの日数

ファクタリングを利用して資金調達するケースの多くは、早急に手元の資金を増やしたいといったものだといえます。

そのため現金化するまでの時間がかかりすぎるファクタリング会社は、ファクタリングを利用する上でのメリットを生かしきれない業者といえるでしょう。

一般的に2社間ファクタリングなら即日から遅くても3営業日以内、3社間ファクタリングなら1週間程度で現金化が可能です。

無理に手続を進めなければならないときには手数料が高めに設定されることもあります。そのため、いつまでに資金を現金化しておきたいかを考慮し、急いで手続しないで済むような計画を立てておきましょう。

ファクタリング会社の対応

ファクタリング会社の窓口となる担当者の対応も、新規で契約する判断材料となります。

重要な説明をしっかり行ってくれているか、横柄な態度ではないかなど確認し、安心して相談できる担当者のいるファクタリング会社を選ぶようにしてください。

ファクタリングを乗り換える4つのメリット

今契約中のファクタリング会社に支払う手数料が高いときや、買取可能とする売掛債権の種類が少ないときなど、ファクタリングの乗り換えを検討する理由は様々です。

ただ、いずれの場合でもファクタリングを乗り換えることで主に次の4つのメリットがあると考えられます。

  1. 手数料を抑えることができる
  2. 好条件で取引ができる
  3. 審査に通りやすい
  4. 利用限度額を引き上げることができる

それぞれのメリットについて説明していきます。

手数料を抑えることができる

ファクタリングを乗り換えることの最大のメリットは、手数料を今の契約よりも引き下げることができることです。

また、複数のファクタリング会社の手数料を比較して選べば、よりよい条件の会社探しができます。

必要書類を再提出しなければならないといった多少の手間はかかっても、支払う手数料を抑えることができるのは長期的な目線でもメリットが大きいといえます。

特に利用金額が大きいときには手数料負担も増えるため、できるだけ手数料の低いファクタリング会社に乗り換えたほうがよいでしょう。

特に長期に渡りファクタリングを利用し続けてしまうと、キャッシュフロー改善どころか反対に悪化してしまいます。

ファクタリングは手数料を支払い、本来受け取るはずの売掛金を早期に受け取ることができるサービスのため、資金難を一時的に脱却したとしても手元に受け取る現金を目減りさせます。

手数料が高いファクタリング会社で利用し続ければ、利益を減少させキャッシュフローも悪化させてしまうでしょう。

もしファクタリングによりキャッシュフローが悪化しているのに利用をやめることができない状況にあるのなら、少しでも手数料の低いファクタリング会社に乗り換えることを早めに検討してください。

好条件で取引ができる

ファクタリングの乗り換えにより、手数料以外の条件も改善できる可能性は高くなります。

手続から現金化まで時間のかからないファクタリング会社を選べば、今よりもスピーディに手元の資金を増やすことができるでしょう。

オンラインなどでやり取りできるファクタリング会社なら、遠方でもわざわざ窓口まで出向くことなく、スムーズな取引が可能です。

これまで少額債権に対応してくれなかった場合でも、小口の売掛債権も買い取りできるファクタリング会社を選ぶことで、ファクタリングをより活用しやすくなります。

さらにファクタリング会社の中には、経営コンサルタントとして業務を行っているケースもあるため、資金面以外の相談もできて安心です。

また、ファクタリング会社によっては、他の会社では買い取りを制限しているような、支払期日までが長い売掛債権の買い取りにも対応していることがあります。

他のファクタリング会社では買い取ってもらえなかった支払期日の長い債権を買い取ってもらえれば、債権売却による現金が増えて、一時的な資金調達がしやすくなるでしょう。できるだけ債権を買い取ってもらいたいと考えている会社には有効です。

乗り換え先を選ぶときには、真摯に対応してくれる信頼できるファクタリング会社かしっかり見極めるようにしましょう。

審査に通りやすい

ファクタリングを他社で利用中の顧客の場合、その利用実績により安全な顧客とファクタリング会社が認めることで審査にも通りやすいといえます。

ファクタリング会社が最も心配することは、取引先から回収した売掛金を入金せず、横領や使い込みされてしまうことです。

しかし過去の取引実績がある顧客なら、これからも安心して取引できる相手として認定され、審査もスムーズに進めることができます。

利用限度額を引き上げることができる

ファクタリング会社の条件の1つといえるのが掛目ですが、売掛債権全額に対しどのくらいの割合で買い取るかを示すものです。

掛目は売掛債権の信用力により変わり、信用力が高ければ大きな資金調達が可能となりやすいでしょう。

さらにファクタリング会社により異なるため、乗り換えによって今よりも多く資金を調達できるようになる可能性があります。

ファクタリングの乗り換えは月末がベスト?検討したい4つのタイミング

月末は支払いが重なっており、できるだけコストを抑えたいと考えるものですが、その1つとしてファクタリングの乗り換えが挙げられます。

ファクタリングの乗り換えを検討するタイミングは会社によって異なり、月末がいいのか月初がいいのか迷ってしまうものです。

厳しい月末を乗り切るためにも、ファクタリングの乗り換えを検討するタイミングは主に次の4つと考えられます。

  1. ファクタリング会社の対応に不満がある
  2. 手続にかかる時間が長い
  3. 買取金額が思ったよりも低い
  4. コスト負担が重いと感じる

それぞれのタイミングについて説明していきます。

ファクタリング会社の対応に不満がある

ファクタリングを利用する上での疑問点などの問い合わせをしたものの、担当者から満足できる回答がもらえなかったときや、対応が雑だったという場合などは、本当にこのファクタリング会社に任せてよいか不安になるものです。

ファクタリングに限らずどのような取引でも、不誠実であると感じたときには安心して取引を続けることは難しくなります。

特にファクタリングは双方の信頼関係が重要な取引であるため、もし誠実に対応してくれないのであれば早めに乗り換え先を探したほうがよいでしょう。

ファクタリング会社が出張対応していないなど、サービスや対応が自社のニーズに合っていないと感じたときも乗り換えを検討するタイミングです。

たとえば、少人数で回している会社では本業に集中したいために資金調達にあまり時間をかけたくないと考えるケースもあるでしょう。

ファクタリング会社の事務所が遠く、さらに出張にも対応していないとなると、事務所まで赴く時間が無駄に感じることもあります。サービスに不満があるときも乗り換えを考えるタイミングになります。

手続にかかる時間が長い

ファクタリングは契約から入金までの時間がかからないことが特徴でありメリットですが、支払期限が迫り早くお金を準備しなければならない中で、手続や審査に時間がかかるファクタリング会社では意味がありません。

実際に現金化までかかる日数はファクタリング会社によって異なりますが、特に債権譲渡登記を必須とするファクタリング会社の場合、登記にかかる時間も必要となってしまいます。

現金化まで時間がかかると感じるときには、たとえば債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社などを選んだほうがよいでしょう。

インターネット上の公式サイトなどには、各社が「最短◯日」とおおよそかかる日数などを表示しています。

ただし実際かかる日数は状況によって異なるため、事前に問い合わせしたほうが安心です。

買取金額が思ったよりも低い

ファクタリング会社によっては、担保としての評価率といえる掛け目を設定することがあり、売掛債権の額面全額を買取対象とせず掛け目分目減りする場合があります。

たとえば100万円の売掛債権をファクタリングで利用するとき、A社の掛け目が80%ならそのときの買取対象となる金額は80万円です。

しかしB社は90%の掛け目で対応できるという場合には、90万円が買取対象となります。

この買取対象となる金額から手数料を引いた金額が現金化され、手元に資金として調達できることになることを認識しておきましょう。

掛け目が設定されていることにより利用できる金額が低いと感じるときには、他のファクタリング会社に乗り換えることを検討してみてください。

コスト負担が重いと感じる

手数料の負担が重いと感じるときもファクタリングの乗り換えのタイミングといえますが、実際に他社ではどのくらいの手数料が発生するか調査してみなければ比較できません。

1%でも低い手数料で契約できたほうが手元の現金を増やしやすいですが、どのファクタリング会社を選ぶべきか知るためにも、相見積もりを取って比べることをおススメします。

相見積もりのときには、発生する手数料だけでなく回答の早さや担当者の人柄なども評価対象とし、信頼できるファクタリング会社選びの参考とするとよいでしょう。

また、ファクタリング会社によっては手数料以外の費用が発生することもあります。たとえば、債権譲渡登記のための費用や出張対応のための交通費などです。

手数料以外のコスト負担が重いと感じたタイミングも乗り換えを検討するタイミングといえるでしょう。

たとえば出張対応など自社が利用するサービスについてどれくらい費用がかかるのか、乗り換えの際にはファクタリング会社に支払うコストを手数料のときのように比較検討することをおすすめします。

ファクタリングを乗り換えるときの注意点は5つ

銀行から融資を受けているときの借り換えなどでは、金利などを比較してどの金融機関と契約しなおすか考えますが、ファクタリングの乗り換えでは手数料や条件以外にも次の5つの注意しておくことが必要です。

  1. 債権の二重譲渡に該当しないか
  2. 複数利用は審査にデメリット
  3. 信頼できるファクタリング会社選びが重要
  4. 悪質なファクタリング会社を見極める
  5. 取引先に知られず利用するなら債権譲渡登記は避けるべき

それぞれの注意点について説明していきます。

債権の二重譲渡に該当しないか

ファクタリング会社の乗り換えで、絶対にしてはいけないこととして挙げられるのは売掛債権の二重譲渡です。

二重譲渡とは、すでに売却している売掛債権を他社に売ることで、ファクタリング利用中の売掛債権を他のファクタリング会社でも取引することといえます。

すでに売掛債権がファクタリング会社に渡っている状態ではその債権を乗り換えの対象にすることはできないため、別の売掛債権を新しいファクタリング会社との契約に使うようにしてください。

売掛債権は目に見える資産ではないため、権利関係がわかりにくいものの、二重譲渡は違法行為です。

複数利用は審査にデメリット

ファクタリングを新たに申し込むときにはファクタリング会社の審査を受けることが必要ですが、数の業者を利用中の場合には審査で不利になる可能性もあります。

ファクタリングは資金調達で利用されるサービスですが、何社でもファクタリングによる資金調達が必要な状況なのか、ファクタリング会社が不安材料と判断する可能性もあるからです。

複数のファクタリング会社で利用しすぎるとかえって自社の首を絞めることになりかねないことは留意しておきましょう。

信頼できるファクタリング会社選びが重要

ファクタリング会社も他社からの乗り換え顧客を獲得しようと、乗り換え利用でより有利な条件を可能とするキャンぺーンなどを行うことがあります。

たとえば手数料引き下げのキャンペーンなどを広告で謳っているファクタリング会社を利用した場合、以前より有利な条件で資金調達できたとしても、手数料以外の費用を請求されコストが増えてしまうことあります

これから契約しようとするファクタリング会社が悪質業者か事前に見極めることは簡単なことではありませんが、担当者とのやり取りなどで本当に信頼できる相手か見極めることが必要です。

また、発生する手数料について早い段階で明確に提示してくれるか、コンサルタントとしてファクタリングの利用方法など適切なアドバイスをしてくれるかなどで判断する方法もあります。

悪質なファクタリング会社を見極める

ファクタリング会社の中には闇金業者のような悪質な取引を行おうとする業者も存在しています。

仮に悪質な業者と契約してしまった場合、資金繰りを改善させる目的で利用したり乗り換えたりしても、大きな損失を被ることになってしまうでしょう。

悪質なファクタリング会社か見極めるときの目安として、次のような特徴がある業者でないか確認するようにしてください。

1つでも該当する項目がある場合、悪質な業者である可能性が高いといえます。

  • 償還請求権のあるファクタリング契約である
  • 高額な買取手数料や費用が発生する
  • ファクタリングなのに担保や保証人が必要な契約である
  • 業者の所在が不明または架空
  • 法人用口座を保有していない業者
  • 契約書がなく控えを渡してもらえない

これらの項目に該当する部分はないか、しっかりと注意しファクタリング会社を選ぶようにしてください。

ファクタリング会社は乗り換えることはできても、新たな契約先が悪質な業者であれば事業を継続することができなくなってしまいます。

必要な説明をしっかり行い、親身な対応をしてくれるか判断するようにしましょう。

取引先に知られず利用するなら債権譲渡登記は避けるべき

取引先に知られずにファクタリングで資金調達したときには、ファクタリング会社と自社のみで契約を完結できる2社間ファクタリングを利用することになります。

2社間ファクタリングは資金を調達するまでの時間がかかりにくく、ファクタリング会社がメインで取り扱うことが多いですが、このときに債権譲渡登記が必要かによって現金化までの時間が大きく変わります。

また、債権譲渡登記が必要になった場合、登記にかかる費用を別途請求されるだけでなく、登記情報として記録されるため誰でもその情報を閲覧することが可能となります。

取引先が登記情報を確認すれば、売掛債権を譲渡したことを知られることとなるでしょう。

銀行などから融資を受けることを予定している場合でも、登記情報を確認されてしまえば審査に通らなくなる可能性が高いといえます。

取引先や銀行などにファクタリングを利用して資金調達することを知られたくないときには、債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

乗り換えで3社間から2社間に変更できる?

ファクタリングの取引の形態には、2社間取引と3社間取引があります。ファクタリング会社を乗り換えるときに、2社間取引から3社間取引に変更するなど、取引の形態を変えることはできるのでしょうか。取引形態と乗り換えの関係について解説します。

2社間取引と3社間取引とは?

2社間取引とは、ファクタリング会社と、資金調達を希望する会社の、2社間で行われる取引のことです。2社間での取引となるため早期の資金化が期待できます。

3社間取引は、ファクタリング会社と資金調達を希望する2社に加え、取引先も交えた取引のことです。取引先が直接関与するため買取率は高くなるものの、ファクタリングの利用が取引先にわかってしまう面があります。

乗り換えで契約の切り替えはできる

2社間取引と3社間取引について取引の形態は異なりますが、ファクタリング会社を乗り換える場合は、それまでの取引形態は契約に影響しません。乗り換え先とは新規で契約を結ぶことになるためです。

そのため、ファクタリング会社を乗り換えるタイミングで、3社間取引から2社間取引へ、あるいは2社間取引から3社間取引へ、取引の形態を変更できます

ファクタリングならコンサルも提供している「PMG」

ファクタリング会社の乗り換えなら、PMGへの乗り換えをぜひご検討ください。

PMGでは、2社間取引と3社間取引のどちらにも対応しています。2社間取引と3社間取引にはそれぞれメリットとデメリットが存在しますので、お客様にはどちらが適しているかご提案も可能です。

PMGでは、売掛債権早期資金化を提供しており、スピーディーかつ安全に売掛金の買い取りを実現できます。

売掛金の買い取りの他に、資金調達のサポートや財務コンサルティングによる経営基盤の強化もサポートしておりますので、資金繰り全般に関してもPMGまでご相談ください。

まとめ

ファクタリングを乗り換えて厳しい月末を乗り切ろうと考えるのなら、一社だけからではなく複数の会社から相見積もりなど取得し、しっかりと比較・検討したほうがよいといえます。

また、比較するときには手数料を重視するばかりではなく、担当者の対応やコンサルティング能力など様々なことを加味した上での判断をおススメします。

せっかくファクタリング会社の乗り換えをしたとしても、よりよい条件で契約できなければ意味がないため、気になるファクタリング会社に実際に問い合わせてみることも方法の1つです。

なお、ファクタリングの乗り換えにおいて、債権の二重譲渡だけはしないように注意してください。

また、取引先にファクタリング利用を知られたくないときや、余計な費用をかけずスムーズに現金化したいときには、債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社への乗り換えがポイントとなります。

本来受け取るはずの売掛金を前倒しできることがファクタリングのメリットです。そのメリットを十分に生かすことのできるファクタリング会社への乗り換えを実現させるようにしてください。