どちらも対象は債権?ファクタリングと債権回収の違い

売掛債権をファクタリング会社に売って、その代金を期日より先に現金化して受け取るファクタリングと、管理している債権を代わりに回収してくれる債権回収との違いがよくわからないという方もいるようです。

実際、ファクタリングと債権回収はまったく別の業務ですので、それぞれの特徴や違いなどを確認しておきましょう。

 

ファクタリングとは?

対象となる債権は支払期日から遅延していない売掛債権です。

売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、支払期日が到来する前に現金化することが可能なので、支払いサイトの長い売掛金などの入金を早めたいときに便利な資金調達方法です。

審査も実施されますが、融資で重視される項目とは異なり、売掛先の信用力が重要となります。

現金化までが早いことで、急に資金が必要という場合でも対応しやすいことが特徴といえます。

ファクタリングの種類

ファクタリングにはいくつか種類がありますので、それぞれの内容をご説明します。

買取ファクタリング

ファクタリング会社が売掛債権を買い取り、支払期日よりも早くその代金を現金化する方法です。多くの中小企業などで利用されている、一般的なファクタリングの形といえるでしょう。

医療報酬債権ファクタリング

病院などを受診した方の保険負担分の医療報酬は、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金に対し請求を行うことで医療機関に支払われます。しかし、請求から入金までの期間は2か月程かかることがあるため、医療報酬債権を先に現金化する手法が医療報酬債権ファクタリングです。

保証ファクタリング

売掛債権が確実に支払われることを保証する方法です。売掛先企業の信用調査や与信審査をファクタリング会社が行い、その売掛債権を保証することになりますが、期日どおりに売掛債権が支払われない場合にはファクタリング会社が保証金額を支払うこととなります。

国際ファクタリング

保証ファクタリングの1つで、取引先が海外である場合の売掛債権の支払いを保証や買い取ってもらうことで資金を調達する方法です。

 

債権回収会社に依頼する債権回収とは?

本来であれば債権は債権者が回収することが原則ですが、不良債権化した債権などを債権回収を専門とする会社に代わりに回収してもらう方法です。

債権回収を行うことができるのは、認定司法書士(140万円以下の債権に限る)、弁護士、そして債権管理回収業に関する特別措置法の規制と許可を受けた債権回収会社です。

支払い期日を過ぎた銀行などの貸付債権やリース・クレジット債権、法的倒産手続き中の方が有する金銭債権などの特定金銭債権を買い取ってもらい、回収を待たなくても現金化することが可能となります。

 

状況に合う資金の調達方法を

これらのことから、ファクタリングと債権回収は回収の対象となる債権や利用するタイミングなどが異なることがわかるはずです。

売掛金を期日より早く現金化させたい場合にはファクタリング、特定金銭債権の回収を待たずできるだけ現金化させたいという場合は債権回収会社に債権回収を依頼することになるでしょう。