売掛債権の種類とそれぞれの特徴|特に売掛金は管理が重要な理由

会社が保有する債権にも種類があるでしょうが、その中で、取引先との取引で生じた営業上の債権を売掛債権といい、受取手形や売掛金などが売掛債権に該当します。

売掛債権が発生する理由として、商品やサービスを販売したときに、その場でその代金を現金で受け取らず、後日請求書を発行して支払期日までに入金してもらうというスタイルが主流だからです。

 

なぜ後日に代金を受け取る流れになった?

売掛金など売掛債権がなく、現金で代金を都度受け取ることができれば、請求書を発行したり、入金があったのか確認したりという煩わしい作業は必要ないと思うかもしれません。

しかし、売上があがるたびに代金を決済するほうが、代金を回収する手間や費用が増えます。

それらの手間やコストを軽減するために、一定期間分をまとめて決済する掛け取引という方法が用いられるようになりました。

 

売掛債権も使い分けが必要に

 

売掛債権にも種類があり、未収金、受取手形、売掛金など、会計上でも勘定科目が分けられています。どれも、商品やサービスは販売・提供して終わっているけれど、その代金は回収できていないことを示します。

この中で未収金は、営業取引以外の代金でありまだ回収できていない資金のことです。

売掛金や受取手形は、営業取引における未回収代金であり、売掛金は会社同士の取り決めで成り立ちますが、受取手形は法律上の約束に該当します。

そのため、売掛金は法的な期日や支払い義務を拘束する力が弱いため、信頼できる会社としか活用できないといえるでしょう。

信頼できる取引先なら売掛金、取引に不安がある場合は受取手形で代金を受け取るなど、使い分けも必要であるといえます。

 

法的な拘束力の弱い売掛金は管理が重要

法的な拘束力が弱い売掛金の場合、貸し倒れにならないために管理が重要です。売掛金を管理する場合、与信管理、受注販売管理、回収管理の3つに重点を置いて管理するようにしましょう。

与信管理

取引先の支払い能力などで評価付けを行い、掛け取引を可能とする限度額を設定します。

受注販売管理

売上高の変動を間違って処理してしまわないように体制を整備します。売上高が変われば売掛金も変動しますので、値引き、売上戻り、割戻しなど、売上高から差し引かれる仕訳処理の方法は明確に決めておく必要があります。

回収管理

売掛金を期日までに回収できているか、入金についても逐一確認します。理由もわからず売掛金が残っている場合や、不足が生じている場合など、取引先に売掛金残高の確認を行うことも必要です。

 

貸し倒れにならないための管理を

売掛債権は目にみえない権利であり、特に売掛金は受取手形とは違い法的な効力が低い債権です。貸し倒れにならないための管理を適切に行うようにしましょう。