PMGスタッフブログ

2018年11月21日

勝訴した裁判のご紹介。

 

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
いつもピーエムジーのブログをご愛読頂きありがとうございます。ピーエムジー株式会社営業部の黒臼と申します。
本日ご紹介させていただきますのは8月17日にご紹介した裁判とは別の裁判をご紹介していきたいと思います。

平成29年(ワ)第390号 否認訴訟事件
原告   有限会社丸山運輸
被告A ピーエムジー株式会社
被告B ファクタリング業者

こちらの裁判は丸山運輸の破産管財人が弊社と被告B(ファクタリング業者)に対し、第三債務者が供託し弊社と被告B(ファクタリング業者)が還付を受けた供託金は債権譲渡契約が不存在ないし無効であり、又は不当利得返還請求権の為ピーエムジーと被告B(ファクタリング業者)に対し連帯して返還を求めた事案及び、ピーエムジーに対し不当利得返還請求権に基づき過去に払った手数料を返還してくれと主張してきた事案になります。
ピーエムジーと丸山運輸は平成27年10月前後くらいから約1年程お付き合いさせてもらっていましたが平成28年9月21日付で丸山運輸の代理人弁護士から債務整理の通知が届き取引が終わりました。

上記の契約は共に平成28年9月25日が売掛金の回収日でした。
期日が近づいてきたとき、弊社の調査により丸山運輸に他のファクタリング会社から債権譲渡登記の設定がされていることが発覚しました。
その後事実を確認するために丸山運輸に電話等していましたが丸山運輸とは連絡がつきませんでした。

不安を抱えながら過ごしていたところ、9月21日に丸山運輸の代理人弁護士から債務整理の任の受任通知の連絡が当社にきました。

弊社は丸山運輸より債権譲渡対抗要件の具備を留保してくれとの願いを受けており、債権譲渡登記及び通知を留保していましたが、第三者の債務整理が介入したことにより集金代行業務委託契約を解除し、債権譲渡登記の設定及び契約時に丸山運輸から委任を受けていた債権譲渡通知を平成28年9月22日付で第三債務者へ送付いたしました。

第三債務者へ債権譲渡通知が届きお話を伺ったところ、別の会社からも同じような内容証明郵便が届いていると聞き、やはり丸山運輸は他のファクタリング会社にも債権譲渡をしていて、さらには弊社が買い取った債権を二重譲渡していることがわかりました。
一度債権を別のファクタリング業者に譲渡しているにもかかわらず同じ債権を弊社に持ち込み1つの債権を2社に譲渡しファクタリング契約を締結していたのが発覚しました。

その後、債権譲渡通知書を発送した先の第三債務者とやり取りしていましたが第三債務者は弊社が譲り受けていた債権を法務局へ供託するという決断をしました。

供託となると、もう一社のファクタリング業者(被告B)が弊社の前に債権譲渡登記を設定していたので事前に被告B(ファクタリング業者)に相談し、お互いの損害額を確認したうえで半分で分ける形で合意したので弊社は供託金還付請求権を放棄し被告B(ファクタリング業者)に供託金の受領を認めました。

供託金還付を受ける承諾書についても被告Bが違法により取得したことをPMGは知っていた、もしくは過失により認識せず被告B(ファクタリング業者)の還付請求に加担したとも原告は主張してきています。

弊社としては供託金還付の承諾書をいつ、どのようにして被告B(ファクタリング業者)が受け取ったのかは知る余地もなく、仮に違法な還付請求が存在したとしても被告間同士の共謀が成立することはない。との主張が認められております。

それに原告が主張する供託金の返還請求については、被告B(ファクタリング業者)から供託金の半分の額を受け取りましたが弊社が受け取ったのは供託金還付を受ける前にもらったものであり、供託金の一部をもらったわけではないのです。

仮にも供託金還付を被告B(ファクタリング業者)が取得した後に弊社が受け取ったとしても被告B(ファクタリング業者)が供託金を受け取った時点で破産会社から逸失した財産としての特定性が失われ弊社による転得を観念することができないという弊社の主張が裁判所に認められました。

その後の裁判で、「9月21日に債務整理の依頼している丸山運輸はこの時点で支払い停止状況にあった。支払い停止に至ったことを知った上でされた譲渡通知は破産法164条1項により、否認対象行為に当たる。」

と、原告は主張していますが裁判所の見解は、

「破産会社代理人弁護士からの平成28年9月21日付け通知からは、破産会社において債務整理が行われることを読み取ることができるが、破産会社が事業者であるのにどのような形態の債務整理を予定しているのかが明らかにされておらず、上記弁護士において破産会社の債務内容を把握したあとに方針等を決定する旨が記載されている。そうすると、上記通知を被告ピーエムジーが受けたことをもって、破産会社において支払い能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払いをすることができないことが明示的または黙示的に外部に表示された「支払い停止」であったことを、被告ピーエムジーが知ったということはできない。したがって、PMG譲渡通知に破産法164条1項の適用はない。」と、見解されています。

不当利得返還請求権にについて原告の代表は根本的に『この契約自体知らなく印鑑等押印されているのはなんでかわからない』

経理担当をしていた丸山京子は『契約書に署名及び押印は押したことがない』『ファクタリングとは知らず貸金だと思っていた』『金銭は最初の契約の時以外受け取っていない』など事実無根な主張をしてきていました。

原告代表が主張している『この契約自体知らなく印鑑等押印されているのはなんでかわからない』のも、丸山運輸の実印や社判を契約書に押印してあり、契約内容もその都度説明し理解してもらい契約書にも『この契約を十分に理解している』と直筆で署名をいただき、代表者からの委任状ももらい、印鑑等の持ち出しの許可を出し、ましてや一年以上お付き合いし、ファクタリング契約に至っているので知らなかったという主張は当然棄却され不当利得返還請求権も立証できませんでした。

過去の裁判例でも今回の丸山運輸の件も、債権の譲渡契約(ファクタリング)とは知らなく貸金と認識していたと主張してきますが弊社は必ず契約時にも、契約交わす前の面談時にも金銭消費貸借契約ではなく債権譲渡契約であるときっちり説明しています。
債権譲渡契約だとは知らなかったと主張するにはかなり無理があるのが判決等をみれば一目瞭然でございます。

仮に債権譲渡契約が理解できないのであれば担当の営業マンに事細かく聞くのを徹底しなければなりません。 

この裁判では、破産会社に破産管財人がつき破産管財人との争いだったのですが、破産法の否認権行為と、ファクタリング契約は暴利の貸し金で得た利益のため不当利得返還請求に基づき返還しろという二つの争いがありましたが、弊社では二つの争いに勝訴し返還の義務はないと裁判所から判決を受けました。

二重譲渡は違法

この事件では別の議題もありファクタリング契約において二重譲渡は違法であり、委託物横領罪や、やり口が悪質な場合は詐欺罪にも問われます。

※ファクタリング契約するにあたって一つの債権は、一社に対して一度しかファクタリングができないのはほとんどの方が理解していただけてるかと思いますが、二社間でのファクタリング契約となると譲渡した売掛金が譲り受けたファクタリング会社に入金されるわけではなく従来通り譲渡人に入金され、そこからファクタリング会社に支払うシステムとなっているのでその事情を逆手に取り、二重譲渡を行う会社も少なからず存在します。ですが同じ債権を譲渡してしまうと入金日にファクタリング会社二社に支払いが出てくる為、資金繰りなどに支障が出てくるのは避けれません。
その例が上記の一件になります。 

弊社のブログには二重譲渡(大阪支店のホームページにもあるブログにも記載)についての危険性やどんな状況に陥ってしまうか記載されてますのでわからない方は一度閲覧してみてください。

今後も裁判が集結し判決が出ましたらブログに記載していきますのでお時間あれば閲覧していただけたらと思います。

ピーエムジー株式会社 営業部 黒臼 尚貴

PAGETOP